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低栄養【高齢者の食事は栄養不足になりやすい】
高齢者の健康維持には栄養管理が不可欠です

〇食生活における高齢者の加齢変化

 高齢の方々が「生活の質(quality of life; QOL)」をいかに維持するか、すなわち、安心して自立した生活を続けることを可能にするには「健康維持のための適切な栄養管理」が不可欠です。そして、高齢者がいい人生を送り、天寿をまっとうする生き方「サクセスフル・エイジング」を実現するために食生活と栄養のあり方が大きく影響を及ぼします。
 食生活において、高齢者では加齢変化として以下のような身体的機能の変化がよく認められます。
 (リンク1参照)  
 
  1. 食欲の低下
  2. 噛む力(咀嚼力(そしゃくりょく))・飲み込む力(嚥下力)の低下(結果的に、固い物や繊維質の食物を避けるようになり、肉・野菜・果物などが不足しやすくなります。)
  3. 唾液分泌の減少
  4. 消化液の分泌量の減少
  5. 腸の働き(腸蠕動運動)の低下
  6. 味覚の低下(結果的に、味付けの濃いものを好むようになり、糖分・塩分の摂取量が多くなりやすいです。)
  7. 嗜好の変化など
リンク1 「加齢と食欲」

〇低栄養状態とは

 偏食などが多くなると、自分では気づかないうちに栄養素が不足した状態になりやすく、最初のうちは体内の貯蔵栄養素を利用することで代謝を維持し体力を保持しようとします(まず糖質、次いで脂肪、タンパク質が利用されます)。
 低栄養状態におちいると、生活活動度が低下し、体重減少(痩せ)(リンク2参照)や骨格筋の筋肉量や筋力の低下、体脂肪の低下、感染を起こしやすくなる、そして血液中のタンパクが低下する低アルブミン血症などが認められます。近年、このように高齢者ではタンパク質・エネルギー低栄養状態が大きな問題となっており、protein energy malnutrition; PEMとも言われています。
リンク2 「るい痩、やせ」

○低栄養になると様々な問題が出てきます

 これらの状態により運動機能が低下してくると、特に高齢者では「生活自立度の低下」や「要介護度の上昇」につながり、最終的には褥瘡(じょくそう:床ずれ)の治癒が遷延(せんえん:のびのびになること)したり、寝たきり状態が起きやすくなります。特に嚥下障害を有する高齢者(すなわち、飲み込みが悪くむせやすい方)の場合には、介護者の注意や努力が不足すると、容易に脱水症や低栄養に陥ります。
 厚生労働省の研究によると、血清アルブミン値と体重減少率を指標にして栄養状態を調べたところ、入院患者や入所および在宅療養者の約3割〜4割に低栄養の高齢者が確認されています。またアメリカの研究では、低栄養状態は病気の回復も遅延し、合併症併発率や死亡率も高かったとの結果が出ています。

○高齢者における低栄養の原因

 高齢者における低栄養の原因は、まずは「食事摂取量の減少」であり、色々な要素(たとえば、生活活動度の低下・嚥下機能障害・消化機能低下・味覚低下・認知機能低下による食欲の減退など)が関係します。しかし、それだけではなく、「生活環境要因(一人住まいや老夫婦のみの生活、無刺激による閉じこもりなど)」「様々な精神的要因」もかかわってきますので、同居者や介護者はそれらの点に関しても注意深く見守る必要があります。

○どんなものを摂取させるべき?

 「年を取ったら魚食を中心にして肉食は避けるべき」とよく言われてきましたが、最新の研究では、動物性タンパク質(肉や卵、油脂類など)を多く摂取している高齢者の方が、植物性タンパク質が中心の高齢者に比べ老化の速度が遅く、病気になりにくいことが分かってきました。つまり、「動物性タンパク質」を効率的に体に取り入れ、体の栄養状態を高めながら生活活動度を高く保つことが大切です。
 小食の人でも「間食」という形で効率的にタンパク質が摂れるという点でも、牛乳や乳製品の摂取が有効です。ただし、過度の摂取により糖尿病や脂質異常症(高脂血症)などの基礎疾患を悪化させる可能性もありますので、主治医と十分相談する必要があります。
 高齢者の栄養管理をするにあたり重要な問題は、「本人にとっての必要エネルギー量やタンパク質量をどの程度に見積もるのか」ということです。(リンク3参照)すなわち、非常に個人差が大きいため、細かい栄養管理は担当の先生や周囲の方だけでは難しく、管理栄養士にも御相談して下さい。
 また、高齢になると摂取する食品が単一的になりがちで、比較的食べやすい糖分の多い物が中心の食事となりやすいです。「摂取栄養素の多様性・バランス」も大変重要であり、好きなものだけを少品種食べるのではなく、少しずつでも幅広い品種を摂取することも重要です。
リンク3 「高齢者における食事摂取基準」

○高齢者の食事のポイント

 食を介した高齢者のQOLの改善には、「適切な栄養素補給」だけでなく、同時に、「食生活を通して多くの人とコミュニケーションを取り、健やかな日常生活を送る」という心理状態の充実も重要です。(リンク4参照)そのためには、下記の点に気を付けて身の回りの方々による工夫を凝らした支援も不可欠になってきます。  
 
  • 食べたい時にすこしずつでも(何度にも分けても構いませんので)食べさせるよう促しましよう。
  • 自分の力でどうにか食事を摂取できるよう促しましょう。
  • 食事の時間が楽しくなる雰囲気を工夫して作ってあげましょう。
  • 摂取栄養素の多様性・バランスに気を付け、大切なエネルギー源となる肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく質は毎日摂取させましょう。
  • 少量で栄養が確保できる栄養補助食品も上手に使いましょう。
リンク4 「高齢期における食事のポイント」
睡眠障害 脱水症
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