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ピック病【原因不明の大脳萎縮性疾患、症状と介護】
ピック病は原因不明の大脳萎縮性疾患です

〇初老期認知症の代表疾患「ピック病」

 認知症も発症する人生の時期によって初老期認知症(初老期とは歴年齢上の定義は40〜60歳代、40歳で「老」とつけられるのもドキッとします)・老年期認知症とおおまかに分かれます。65歳が便宜的境目です。
 前者の代表疾患がピック病であり、原因不明の大脳萎縮性疾患です。初老期認知症ということでは、かつては若年性アルツハイマー病とよく比較されました。
 また、別の分類になりますが前頭側頭型認知症(FTD: frontotemporal dementia)(リンク1参照)の代表がピック病であり、頭頂葉と側頭葉後部に病変を呈するアルツハイマー病が後方型認知症と呼ばれているのに対して前方型認知症とも呼ばれます。もともとは1892年にプラハ大学のPick(ピック)先生が老年期認知症の一型として報告、その後アルツハイマー病とは別タイプの、実際は初老期発症が多い認知症疾患として独立命名されました。
リンク1 「前頭側頭型認知症」

〇ピック病の疫学

比較的稀な疾患でアルツハイマー病(リンク2参照)の1/3以下ですが1/100程度という報告もあり、しばしば診断が十分になされないことやよく分かっていない面もある分報告にばらつきがあると思われます。男女差はないようです。

〇ピック病の症状

人格障害(強さはピック病>アルツハイマー病>脳血管性認知症)・情緒障害などが初発症状です。
 病期前半にはアルツハイマー病でよくみられる記憶障害・見当識障害はまずみられません。進行に伴い自制力低下(粗暴、短絡、相手の話は聞かずに一方的にしゃべる)、感情鈍麻、異常行動(浪費、過食・異食、収集、窃盗、徘徊、他人の家に勝手にあがる)などがはっきりし、人格変化(無欲・無関心)、感情の荒廃が高度になります。
 人を無視・馬鹿にした態度、診察に対して非協力・不真面目、ひねくれた態度など対人的態度の特異さも目立ちます。その他、意味もなく同じ内容の言葉を繰り返したり同じ行動を繰り返したりする滞続症状もみられます。 病識はありません。
リンク2 「アルツハイマー病」

〇ピック病の検査

 CT・MRIでは、前頭葉・側頭葉に目立つ局所性の脳萎縮が認められます。SPECT・PET(脳血流や脳ブドウ糖代謝をみる検査)では前頭葉・側頭葉の血流あるいは代謝の低下を認めます。

〇ピック病の病理

 病理所見は、3型に分類されます。 

(1)

Pickの嗜銀球(しぎんきゅう)が神経細胞内に出現するもの。

(2)

細胞質色素融解(achromasia)を伴うPick細胞と呼ばれる腫大した神経細胞を認めるもの。

(3)

Pickの嗜銀球やPick細胞を欠き、単に神経細胞の脱落とグリオーシス(なくなった神経細胞のすきまを埋める間質細胞が増えてくる)のみを認めるもの。

 これらが単一の疾患であるかどうかは現在でも議論があります。

〇ピック病の鑑別

 鑑別診断としては、アルツハイマー病、統合失調症があります。アルツハイマー病では記憶力・見当識・計算力などの知的機能低下が初発症状ということをはじめ、以上に述べてきたような症状・検査などの特徴で鑑別されます。統合失調症でみられる幻聴はほとんどみられませんし、CT・MRIを撮ることでもかなり鑑別可能です。

〇ピック病の経過

2〜15年(平均6年)で、ほとんどが10年以内に衰弱し死亡することが多く、アルツハイマー病よりも短い傾向です。

〇ピック病の介護

治療法は今のところなく、介護が中心となっているのが現状です。落ち着きのなさ、多動、徘徊などに対し抗精神病薬を対症療法として使うことがあります。場合によっては精神病院入院を余儀なくされることもあります。
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