健康長寿ネット

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筋力の測定方法

公開日:2016年7月25日 10時00分
更新日:2023年6月 1日 13時29分

筋力とは

 筋力とは、体力の中でも行動体力を構成する重要な要素の一つです。動物は体を動かすときに必ず筋の収縮を伴います。筋力とは一般的に筋が収縮するときの強さを示します。

 筋の活動形式は、表に示す通り筋収縮の仕方によって異なります。筋力は状況に合わせて様々な方法で発揮されます。

表:筋の活動形式
筋の活動(収縮)形式筋力の発揮の仕方
等尺性筋活動 筋の長さが変わらずに力を発揮
等張性筋活動 短縮性筋活動 筋が短く収縮しながら力を発揮
等張性筋活動 伸張性筋活動 筋が強制的に伸ばされながら力を発揮
等速性筋活動 筋の収縮速度が一定のまま力を発揮

筋力測定の目的・意義

 筋力は日常生活では主に身体を支える、移動する、物を押す・引く、持ち上げるなどの動作に必要な力です。特に下肢の筋力が低くなると転倒や傷害のリスクが高くなることが明らかになっており、健康的な生活を送るためには筋力を維持増進させることがとても大切です。

 また、筋力には、1回にどれだけ大きな力を発揮できるかを示す「(最大)筋力」、瞬間的に速さも伴ってどれだけ力を発揮できるかを示す「瞬発力(パワー)」、持続的にどれだけ力を発揮し続けられるかを示す「筋持久力」があります。筋力測定では、最大筋力、瞬発力、筋持久力を異なる測定方法で評価することができ、それぞれの筋力を把握しておくことで個人に適したトレーニング方法を考えることができます。

筋力の代表的な測定の種類

 代表的な筋力測定には、最大筋力を測定する握力、脚筋力(膝伸展筋力)、背筋力、瞬発力を測定する垂直跳び、立ち幅跳び、ボール投げ、脚伸展パワー、筋持久力を測定する上体起こし、懸垂があります。

 文部科学省の「新体力テスト1)」では、6~11歳版・12~19歳版で握力、上体起こし、ボール投げ、50m走、立ち幅跳びが筋力の測定項目に設定されています。20~64歳版では握力、上体起こし、立ち幅跳び、65~79歳版では握力、上体起こしが測定項目に設定されています。

代表的な筋力測定の方法

 代表的な筋力測定項目の測定方法についての概要を説明します。

握力

 直立の姿勢で、握力計を身体や衣服に触れないようにしながら全力で握りしめます。左右交互に2回ずつ測定します。

上体起こし

 マット上で両膝の角度を90度にした仰臥位をとり、両腕を胸の前で組みます。30秒間で仰臥位から両肘が大腿部につくまで何回上体を起こせるか測定します。

脚伸展力

 脚筋力系を用いて測定されます。測定器の座面に膝を90度になるように座り、膝を伸ばす動きの際に発揮される大腿四頭筋の筋力を測定します。

立ち幅跳び

 両足で同時に踏み切って前方へ跳び、最も踏み切り線に近い距離と、着地をした踏み切り線に近い方の踵までの直線距離を測定します。

ボール投げ

 指定された円内から前方にソフトボールまたはハンドボールを投げ、その距離を測定します。投球時に円を踏んだり、円外に出てしまうと測定不可となります。

筋力測定はどこでできるか

 各測定項目と測定方法の詳細は「新体力テスト実施要項」や「運動器の機能向上マニュアル(改訂版)」等で解説されています。そのため特別な施設でなくても自分で測定環境を整えられればどこでも実施可能です。ただし、高齢者の場合、転倒や障傷害のリスクが高いため一人では行わず必ず補助者とともに行うことが推奨されます。

 専門的に測定してもらいたい場合は、各自治体や地域にある体育施設で体力測定を行っていることがあるため、各自問い合わせてみることをおすすめします。

参考文献

  1. 新体力テスト実施要項 文部科学省(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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