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長寿と栄養
○食事制限と寿命
 寿命を延ばす方法については昔から多くの研究がなされています。しかし動物実験で、はっきりとした効果が認められているものはほとんどありません。そのなかでエサを制限することでネズミの平均寿命、最大寿命がともに大きく延長するという研究結果が1930年代に発表され、その後多くの研究でくり返し証明されています。
 しかし他の動物においてもエサの制限が寿命の延長に有効かどうかについては、まだ議論のあるところです。サルを使った食餌制限のプロジェクトがアメリカ国立老化研究所で行われています。サルの寿命は30年ほどもあり、実験を終了するにはまだ長い期間がかかるようです。中間結果が報告されていますが、エサを制限したサルでは、制限をしないサルに比べて、いろいろな老化の指標が若かったとされています。 (リンク1参照)
リンク1 「高齢者における栄養状態の評価」
 しかし、いつでも食べたいときに食べられる実験室の環境は、絶えず食物を捜して動き回り、飢餓の危険にさらされている野生の動物とはまったく異なるものと考えられます。
 また、現代社会の人間では、多くの場合、食事の摂取量に関して自己抑制が働いて、自然に制限がなされていると思われます。
○理想的な体重
 では人間ではやせていればいるほど健康にいいのか。もしそうでないなら、どの程度の体重であるのが医学的には理想なのでしょうか。米国では生命保険会社の400万人以上のデータから、体重(kg)を身長(m)の二乗で割って求めたBMI(体格指数)を身長とは無相関の肥満の指標として用い、各年代ごとに最も死亡率の低いBMIをもとめました。この結果、死亡率を縦軸、BMIを横軸にとった時、きれいなU字を描くことが示されました(図1)。
 BMIの小さいやせた人では、肺炎や結核などの感染症の発病率が高く、BMIの大きな太った人では糖尿病や心臓病などの発病率が高くなります。
 男女別に各年齢毎にこのようなグラフを作成し、死亡率の最も低い肥満度を求めてみると、この理想的な肥満度の値は加齢とともに大きくなっていることがわかりました(図2)。
 男女で大きな差はなく、年齢とともにほぼ直線的に理想的なBMIの値が大きくなっていきます。長寿を目指すには、やせすぎず、また太りすぎず、年齢にあった理想的な肥満度を維持していくことが重要でしょう。(リンク2参照)
BMIで示した肥満度と死亡との関係
年齢別の理想的肥満度と死亡リスク
リンク2 「食事のヒント:肥満」
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