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常食から流動食
○常食、軟菜食、キザミ食、ミキサー食、流動食
 高齢者施設や病院では、高齢者一人一人の状態にあわせて、食事の“軟らかさ”や“消化の良さ”を段階的に調節しています。たとえば、普通の食事を“常食”と、それより軟らかいおかずとお粥(かゆ)で構成されている献立を“軟菜食”または“ソフト食”とよびます。
 食材を口に入りやすい大きさにカットして、噛み切る能力が弱い人に合わせた献立を“キザミ食” または“カット食”といいます。
 さらに、おかずやお粥をドロドロ状に仕上げる“ミキサー食”や“ペースト食”は、嚥下障害(えんげ:飲み下すこと)のある方が飲み込みやすいように粘度や食べ物の細かさが工夫されています。(リンク1参照)
 また、具なしのスープや果汁などの液状のおかずと重湯を組み合わせた食事のことを“流動食”といいますが、摂取可能なエネルギー・栄養素が少ない点が短所です。
○摂取能力に応じた献立を
 食事をする人の摂食・咀嚼(そしゃく)・嚥下(えんげ)の能力にあわせて、食事の形態に変化をつける工夫のことを、献立の展開といいます。家庭で介護をする場合を想定して、家族の通常の食事を基本にして、高齢者の摂取能力に適した介護食へ展開する方法を考えてみましょう。
 展開は、通常の食事と同じような食材料を使用し、調理法や分量をアレンジだけなので作業効率もよく経済的です。 (リンク2〜5参照)
リンク1 「嚥下食とは」
リンク2 「介護食のヒント:軟菜食」
リンク3 「介護食のヒント:きざみ食には気をつけよう」
リンク4 「介護食のヒント:ミキサー食」
リンク5 「介護食のヒント:流動食」
 例えばコメの展開方法は表のようです。基本の食事は“普通のごはん”で、高齢者の好みや咀嚼能力(そしゃく:よくかみ砕き、味わうこと)に合わせて展開するときは、水分量を増やしていきます。ごはん→おかゆ→おもゆという感じです。
 

   ごはん → やわらかいごはん → 全粥 → 五分粥 → 三分粥 → おもゆ


○うどんは軟らかさと長さをがポイント
 うどんは、めんの軟らかさと長さをがポイント。切り方とゆで時間に変化をつけます。手が不自由な人、めんをすすることが下手な人には“5-6cmの長さ”にします。箸が苦手だったり、口をすぼめることが上手くできない人には、めんを1-2cmにカットしてスプーンで食べることを薦めましょう。
 めんを切るタイミングは、“長め”に切るならば、食前に丼の中で調理ハサミで切ることができます。“短かく”するときには、あらかじめ調理前に刻んでおきます。
 めん類は口当たりが良く、食欲のない高齢者にもお奨めしたい人気メニューです。しかし、めんをすする時は気管に入ってむせることもあるので、介護する者は、さりげなく食べている様子を “見守る”ように“心配り”しましょう。

 


うどん



やわらかいうどん



5-6cmにカットしたうどん



1-2cmにカットしたうどん



よく煮込んだうどんのおじや
 

 

○魚料理
 魚の展開では、若い世代にはボリューム感のある揚げ物を、高齢者には、好みと消化能力を考慮して、煮魚や蒸し物料理にします。
 咀嚼・嚥下能力が低下している方には、煮魚や蒸し魚をほぐして、大根おろしと一緒にもう一度煮ると、さっぱりとした一品料理が仕上がります。特に、蒸し物料理は、鰹だしや昆布だし、ゆず等の香りを効かせば、一流料亭のような料理に仕上がります。

食事の種類

料理名

作り方

 基本食

 白身魚フライ

 魚に塩コショウをして、パン粉の衣をつけて、植物油で揚げる。

 軟菜食

 白身魚の煮魚

 鍋に、しょうゆ、酒、みりんを煮立て、魚の切り身を入れて煮る。

 

 白身魚の酒蒸し

 昆布を敷いた器に、切り身魚をのせて、強火で15分程度蒸す。

 キザミ食

 白身魚のほぐり煮
 魚のおろし

 煮魚の骨と皮を丁寧に除き、身をほぐしたものを、大根おろしと
 一緒に煮る。

 ペースト食

 白身魚のほぐり煮
 魚のおろし煮

 煮魚や蒸し魚をすり鉢やフードプロセッサーにかける。

 ミキサー食

 すり身流し汁

 骨や皮を除いた煮魚・蒸し魚にダシ汁を加えて、細かい粒子にな
 るまで、ミキサーやフードプロセッサにかける。ポタージュ状に仕
 上げる。

 流動食

 すり身流し汁

 蒸し魚を、すり鉢やミキサーにかけて、ダシ汁でのばす。仕上が
 りは、すまし汁と同様。

 

 高齢者の介護を続けるためには、がんばり過ぎないことも重要です。特別な材料を買ったり、いつも家族とちがう献立を考えていると、経済的にも精神的にもたいへんです。献立の展開は応用の範囲が広く手軽な方法ですから、家庭でもぜひ参考にしてください。
高齢期における食事のポイント 介護食
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