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高齢者の口内炎は義歯を原因とするものが多数をしめています。しかし、治癒の悪いものや、原因がよくわからないものは他の重要な粘膜疾患の場合がありますので、鑑別診断のために、医院を受診する必要があります。 以下に高齢者の口内炎の分類、対処法について述べます。
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○潰瘍を形成する病変
・義歯性口内炎
義歯による継続的な粘膜面への圧迫や摩擦が作用すると、その部分に循環障害や上皮の剥離(はくり:はがれること)を生じ、最終的には潰瘍が発生します。 義歯装着者では、義歯の内面にプラーク(歯垢)が増殖し、その中のカンジダなどの刺激で義歯性口内炎が起きやすい。これを予防するには、義歯にプラークを付着させず清潔に保つことが大切です。 義歯洗浄は、食後に流水下でブラシを用いて清掃すること、夜間等義歯をはずす時間を確保するとともに義歯洗浄剤等も併用することが大切です。(リンク1参照)
・アフタ性潰瘍
小円型または類円型の境界明瞭な小さくて浅い潰瘍です。一般的に口内炎といわれているものがこれです。刺激を与えず、清潔にしておけば通常1〜2週間で治癒します。 再発性アフタ性口内炎の場合は、本人の体質に由来すると考えられるので予防しにくいものですが、誘因として微少外傷(魚の骨やフランスパンの硬い部分などによる本人の気づかない小さな外傷)が考えられます。 また、初期にステロイド軟膏を塗布することで2週間の1サイクルの病期を経ずして治ることもあります。
・口腔癌
通常の口内炎と鑑別を要する最も重要な疾患です。口腔潰瘍が癌の初期病変であることがあるので注意が必要です。 日本人では、舌、歯肉、口底部に発生するものが多く、頬粘膜(きょう:ほほ)、口唇では比較的少ない。腫瘍周辺は硬く(硬結)、有痛性、無痛性いずれの場合もあり、接触痛もあります。早急な診断と治療が必要です。
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○白斑を生ずる疾患
・白板症
口腔粘膜の角化亢進による白色斑を生じる疾患で、数パーセントが癌化する前癌病変と考えられています。病理検査で確定診断をえた上で、治療もしくは定期的な観察が必須です。
・扁平苔癬(へんぺいたいせん)
頬粘膜に両側性に好発し、特徴的なものでは、レース状、網状の模様を呈します。原因は不明で発赤やびらん、潰瘍を伴うことも多く、他の口腔粘膜病変との鑑別が困難な場合もあります。定期的な観察が必要です。
・口腔カンジダ症
Candida albicans(カビの一種)による口腔粘膜の感染症で、高齢者や寝たきりの方によくみられます。不潔な義歯を装着したままである場合にもみられます。抗真菌薬による治療が行われます。あわせて口腔ケアや義歯の清掃も大変重要です。
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○水疱を生ずる疾患
・帯状疱疹
Varicella-Zoster Virusの感染で生じます。口腔領域では三叉神経の支配領域を中心とします。この他にもヘルペス属としては口唇ヘルペスやヘルペス性口内炎などがあります。
・天疱瘡(てんぽうそう)
皮膚や粘膜に突然水疱を生じる疾患で、水疱の新生のあと、破れてびらん状態となり慢性化します。自己免疫疾患と考えられています。摂食困難などあれば入院下の治療が必要になります。
以上のように、口内炎とはいっても治癒の悪いものや、症状の激しいものもあり鑑別が必要な場合もあります。義歯の調整など原因除去を行っても治癒しないものは慎重な観察・治療を要しますので、放置せず、医院を受診して下さい。
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