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脳血管疾患の症状

公開日:2016年7月25日 12時00分
更新日:2019年6月20日 17時22分

脳血管疾患の多くにみられる症状

 脳は、全身の臓器の中で最もエネルギーを必要とする臓器です。そのため、常に血液からのエネルギー供給を必要とするため、脳には大小さまざまな血管が張り巡らされており、たくさんの血液が脳に送られ、そして循環しています。

 脳の血管に疾患があると、血液の循環が悪くなり、エネルギー供給が行いにくくなるため、疾患がある部位や疾患の重症度に応じて、様々な症状が出現します。

片麻痺

 脊髄の病気では下半身のみであったり、上半身から麻痺がでるといった症状が出現しますが、脳血管疾患の場合は、左右どちらか片方に麻痺が出現します。その程度は完全に麻痺してしまい自身では全く動かすことができない「完全麻痺」の状態から、しびれ程度である軽度なものまで様々であり、リハビリでの回復も個人差が大きくなります。

構音障害

 構音障害とは、「言葉がうまく出なくなる状態」をいいます。自分では「こう言いたい」という明確な意思はあるのですが、それをうまく言葉にすることができません。言葉そのものが出てこないものから、意味不明な言葉の羅列となってしまうものまで、症状は様々となります。

意識障害

 脳血管疾患において、最もよく見られるのがこの意識障害です。急に意識がなくなってしまうものから、呼びかけに対しての反応が弱いものまで、程度は疾患や重症度によって変わります。意識障害によって受け身がとれないまま転倒し、頭を強打してしまう場合もあります。

頭痛

 特にくも膜下出血の患者さんに強くみられる症状で、その強さはバッドで殴られたようだと表現されるほどです。また、直接脳血管疾患を発症していなくても、血流が悪くなることで頭痛を感じることもあるため、脳血管造影などを行い、頭痛の原因を精査することが大切となります。

嘔気、嘔吐

 脳血管疾患での嘔気、嘔吐の場合は、消化器疾患での嘔気、嘔吐に比べて突然に症状が出現し、嘔吐してしまうことが特徴としてあげられます。それまで話していた人が、突然吐いて倒れてしまい、検査をしてみたら脳血管疾患だった、ということも珍しくはありません。

高次機能障害

 高次機能障害は、言葉を話そうと思っても全く話すことができない「失語」や、物の名前や使い方がわからなくなる「失認」などが起こります。高次機能障害は外部からわかりづらく、「みえない障害」と呼ばれています。

脳血管疾患の症状の特徴

 脳血管疾患の症状において重要なのは、「症状が少しずつ進行する場合もある」ということです。例えば脳梗塞の場合、血管が詰まってしまった直後では若干のしびれを感じるだけだったのに、1日たつと完全な麻痺になってしまった、ということがあります。

 脳は常に多量のエネルギーを必要とするため、血管がつまってしまいエネルギー供給が滞ってしまうと、すぐに症状となって出なくても、血流が障害されることで少しずつ、症状が進行してしまうことがありえるのです。そのため、脳血管疾患においては「少しの異変を感じたらすぐに医療機関を受診する」ことが重要となります。

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