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サルコペニア

○はじめに

 高齢社会を迎えた先進諸国では、健康長寿社会をどのように実現するかが問われています。そのために、健康障害を来たしやすい高齢者を早期に発見して、予防的な介入を行うことが有効と考えられています。このような健康障害を来たしやすい高齢者の特徴の一つがサルコペニアであると考えられています。

○「サルコペニア」という用語の成り立ち

 サルコペニアという用語は、ギリシア語で「肉」を表すsarxsarco:サルコ)と、「喪失」を意味するpenia(ペニア)を組み合わせた「筋肉の喪失」という意味の造語です。この用語を初めて用いたIrwin Rosenbergは、加齢に伴う筋肉量の減少が、高齢者の身体機能(歩行や運動機能など)に関連することを示し、医学的にも大切な考え方であることを指摘しました。

○サルコペニアの定義

 上述のように、サルコペニアは筋肉量の喪失を意味するものでしたが、その後の研究により、筋肉量減少よりも筋力低下の方が、身体機能低下への影響が大きいことがわかってきました。このため、サルコペニアという用語の定義を見直す必要が出てきました。その結果、2010年に欧州のワーキンググループ(European Working Group on Sarcopenia in Older PeopleEWGSOP)が、「サルコペニアとは、進行性かつ全身性の筋肉量と筋力の減少によって特徴づけられる症候群で、身体機能障害、生活の質(quality of life: QOL)の低下、死のリスクを伴うものである」(1)という定義を提案しています。

○サルコペニアの診断基準

 EWGSOPによれば、「サルコペニアの診断基準は、筋肉量の低下を前提とした上で筋力あるいは筋肉機能(身体動作など)のいずれかの低下を併せ持つこと(1)」としています1)

表1.サルコペニアの診断・評価

    サルコペニア診断基準(EWGSOP*

      サルコペニアは、下記の項目1)を裏付ける証拠に加え、
      2)あるいは 3)を満たす場合に診断される。

        1) 低筋肉量  
        2) 低筋力   
        3) 低身体動作

*EWGSOP:European Working Group on Sarcopenia in Older People


 

 そして、筋肉量の測定には、再現性や正確性の高い二重エネルギーX線吸収測定法(DXA法)やインピーダンス法(BIA法)を推奨しています。筋力評価は握力測定を、筋肉機能の評価は歩行速度の測定を推奨しており、下図のような診断のアルゴリズムを提唱しています(図1(1)。

図:アルゴリズム.jpg

○サルコペニアの原因による分類

 サルコペニアは、年齢以外に原因がない原発性サルコペニアと、何かの原因により起きる二次性サルコペニアに分類されています。二次性サルコペニアは、活動量に関連して起きるサルコペニア(身体活動性サルコペニア)、病気により起きるサルコペニア(疾患性サルコペニア)、栄養不足により起きるサルコペニア(栄養性サルコペニア)の3つに分類されています(表2(1)

表2.サルコペニアの原因による分類

分類

原因

 原発性サルコペニア

 

  加齢性サルコペニア

 加齢以外の原因がない

 二次性サルコペニア

 

  身体活動性サルコペニア

 ベッド上安静、運動しない生活スタイル、廃用、無重力状態

  疾患性サルコペニア

 高度な臓器障害(心臓、肺、肝臓、腎臓、脳)、炎症性疾患、

 

 悪性腫瘍、内分泌疾患

  栄養性サルコペニア

 吸収不良、胃腸疾患、食欲不振をきたす薬物の使用、

  

 蛋白質摂取不足

(EWGSOP.2010)

 

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