機能性表示食品とは
公開日:2016年7月24日 01時00分
更新日:2025年5月 2日 10時55分
食品の機能
近年、食品の機能として第一の機能の生命現象を営むために必要不可欠な、エネルギー源や栄養素の補給としての、第二機能の味、におい、色、舌触りなど食べた時においしさを感じる嗜好・食感機能に加えて、第三の機能として体の調子を整える生体調節機能が注目されています。
機能性表示食品とは1)2)
機能性を分かりやすく表示した商品の選択肢を増やし、消費者が商品の正しい情報を得て選択できるよう、2015年4月に機能性表示食品制度がはじまりました。
「機能性表示食品」は、事業者の責任で、疾病に罹患していない方(未成年者、妊産婦〔妊娠を計画している方を含む〕及び授乳婦を除く)を対象に、食品に含まれる機能性関与成分により「おなかの調子を整えます」「脂肪の吸収をおだやかにします」など、健康の維持・増進に役立つ効果が期待できることを、科学的根拠に基づいて商品包装に表示した食品です。
機能性表示制度の概要1)2)
機能性表示制度とは、国の定めるルールに基づき、事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などの必要な事項を、販売前に消費者庁長官に届け出れば、機能性を表示することができる制度です。消費者が、健康の維持や増進に役立つ食品を選びやすくすることを目的としています。
機能性表示制度の特徴
- 疾病に罹患していない方(未成年者、妊産婦(妊娠を計画している方を含む。)及び授乳婦を除く。)を対象にした食品です。
- 生鮮食品を含め、すべての食品(一部除く。)が対象となっています。
- 安全性及び機能性の根拠に関する情報、健康被害の情報収集体制など必要な事項が、商品の販売前に、事業者より消費者庁長官に届け出られます。
- 特定保健用食品とは異なり、国が安全性と機能性の審査を行っていません。
- 届け出られた情報は消費者庁のウェブサイトで公開されます。
特定保健用食品(個別許可制) | 機能性表示食品(届出制) | 栄養機能食品(自己認証制) | |
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概要 |
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公定マーク | あり | なし | なし |
疾病リスク低減表示 | 可能 | 不可 | - |
第三者機関への意見聴取 | 安全性については食品安全委員会へ諮問※効果については特定保健用食品の表示許可等に関する部会で審議(消費者庁内) | - | 食品表示基準に定められた内容を改正する場合は、消費者委員会へ諮問 |
有効性の科学的根拠 | 最終製品を用いたヒト試験が必須 | 最終製品を用いたヒト試験又は最終製品又は機能性関与成分に関する研究レビュー評価(システマティック・レビュー) | 国の栄養目標及び健康政策を所管する厚生労働省と協議した上で規格基準を策定 |
許可・届出件数(令和6年8月2日時点) | 1,039件 | 6,890件 | - |
根拠法令 | 健康増進法、食品表示法 | 食品表示法 | 食品表示法 |
創設時期 | 1991年(平成3年) | 2015年(平成27年) | 2001年(平成13年) |
機能性表示食品の表示3)
パッケージ表示例
機能性表示食品の義務的表示事項(赤字部分)です。
下線部事項(摂取する上での注意事項)を表示しない場合は、回収命令等の対象となります。
新しく機能性表示食品の制度ができたことにより、健康の維持・増進に役立つ保健機能食品の選択肢が広がりました。しかしながら、選択肢が広がった分正しい情報をもとに正しく食品を選ぶことが必要だと考えられます。
消費者庁のウェブサイトでは、商品のより詳しい安全性や、機能性に関する情報を確認することができます。「届出番号」「届出表示」を使って検索してみてください(参照リンク1)。
参照リンク1 機能性表示食品に関する情報 消費者庁(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
機能性表示食品の認められる表示1)
疾病に罹患していない方への健康の維持及び増進に役立つ旨又は適する旨の表示に限られています。
機能性表示食品の認められない表現・表示1)
- 「診断」「予防」「治療」「処置」など医学的な表現や、疾病の治療効果や予防効果を暗示させる表現(例:「糖尿病の人に」、「高血圧の人に」)
- 未成年者、妊産婦(妊娠を計画している者を含む。)、授乳婦に対し、機能性を訴求するような表示
- 健康の維持および増進の範囲を超えた、意図的な健康の増進を標ぼうする表現(例:「肉体改造」、「増毛」、「美白」)
- 科学的な根拠に基づき十分に説明できない機能性に関する表現