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アルツハイマー病(AD)研究の新展開:介在性ニューロンの秘密を暴く

公開日:2024年1月30日 09時00分
更新日:2024年2月22日 09時40分

 従来のAD研究では老人斑やアミロイドβ(Aβ)の蓄積がよく議論される。しかし、多量のAβ蓄積があっても認知症の症状を発しない人もいる。米国ボストンのMITのツァイのラボでピッツバーグ大学からのマティスらが健常者とAD患者427人の前頭葉皮質のブロックから全細胞の遺伝子発現パターンを三次元マップ化し、健常者とADとの違いを精細に調べ上げた。これまで着目されてきた興奮性ニューロンではなく、リーリンやソマトスタチンを発現する抑制性の介在ニューロンの存在に症状が出るか否かの違いがあった。この介在ニューロンが減ると認知症になる。多ければAβ蓄積があっても症状がでない。この結果は、新たなAD攻略の道筋を開いた。このグループは関連する4論文を2023年9月末の雑誌セルに連ねている。

文献

Mathys H, et al., Cell 2023; 186(20): 4365-4385

転載元

公益財団法人長寿科学振興財団発行 機関誌 Aging&Health 2024年 第32巻第4号(PDF:5.1MB)(新しいウィンドウが開きます)

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