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高血圧のケア

公開日:2016年7月25日 10時00分
更新日:2019年6月12日 10時53分

高血圧において押さえておきたいポイント

「自分の血圧はどれくらいか」を把握する

 高血圧のケアにおいて重要なのは「自分の血圧がどれくらいなのかを把握しておく」ことです。自動血圧測定器の普及により、家庭でも血圧は簡単に測れるようになりました。そのため、以前はわかりにくかった白衣高血圧や仮面高血圧も、家庭での測定習慣によって見つけやすくなりました。

 また、一言で高血圧といっても、その程度は人によって異なるため、「自分はどれくらいの血圧なのか」を把握しておかないと、測定された数値が自分にとって高いのか、低いのかといった判定ができません。

 例えば、収縮期血圧が150mmHg、拡張期血圧が90mmHgだった場合、通常は収縮期が180mmHg以上であれば「急に下がっている」と言えますし、逆に130mmHgほどであれば、通常よりも高いということがいえます。

家庭での測定時の注意事項

 高血圧の管理にて重要となるのが、家庭での測定です。家庭では自分で血圧を測定する必要がありますが、より正しく測定するために、ぜひ守っていただきたい注意事項があります。

毎日なるべく決めた時間に測定する

 血圧はさまざまな要因によって常に変動するため、測定時間を決めておかないと血圧のベースを見ることができません。朝に測定する場合は起床後1時間以内に、排尿を済ませ、降圧剤の内服前に測定します。夜に測定する場合は食事や飲酒などが終わった就寝前に、1~2分ほど安静にした状態で測定します。

正しい位置で血圧計をまく

 自動血圧計は、おおまかに上腕で測定するタイプと、手首で測定するタイプがあります。これらは正しい位置で測定をしないと、正しい数値を図ることができません。そのため、測定方法をよく確認し、正しい位置で測る必要があります。

高血圧に「完治」はない

 高血圧と診断されると、ほとんどの場合生活習慣の改善や、内服による治療が始まります。これらによって血圧が正常値に近付いたとしても、それは高血圧が「寛解した」とは言えますが、「完治した」とは言えません。

 特に本態性高血圧の場合、降圧剤が効きやすいとされていますが、薬を中断することで急激に血圧が上がってしまいます。そのため、一度高血圧と診断されたら、定期的に医療機関を受診し、適切な湯薬および経過観察が重要となります。

高血圧を治療する理由

 血圧は、高い状態だけならば自覚症状はありません。ではなぜ、高血圧は放置してはいけないのでしょうか?それは、血圧が高い状態が続くことで様々な病気を引き起こしてしまう可能性があるからです。

 血管は本来、弾力性に富んでおり、ゴムホースのように伸縮することで心臓のポンプ機能を使い、全身に血液を運びます。しかし、高血圧状態では血管が張り詰めた状態となってしまい、次第に厚く、硬くなってしまいます。これが「動脈硬化」と呼ばれる状態です。動脈硬化は、脳出血や脳梗塞といった脳血管障害や、大動脈瘤といった血管そのものの疾患、腎不全や心筋梗塞、眼底出血といった全身のさまざまな臓器の病気を引き起こす原因となります。

 また、心臓は高い血圧に打ち勝つために、通常以上の力で心臓を動かそうとするため、徐々に心臓そのものが肥大し、機能が低下する「心不全」を引き起こします。これらの合併症を防ぐために、血圧を正常値に近づける必要があります。

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