リトコール酸:カロリー制限による健康長寿効果の黒幕
公開日:2025年10月29日 09時00分
 更新日:2025年10月29日 09時00分
こちらの記事は下記より転載しました。
カロリー制限が健康長寿に良いことはマウス、線虫、ハエ、酵母など多種のモデル生物で実証済みだ。しかし、そのメカニズムは?となると必ずしも明確でない。代謝スイッチの切り札となるAMPキナーゼ(AMPK)が誘導され、サーチュイン(SIRT1など)が活性化されるのだが、どうしてそうなるのか?この問題に中国福建省の厦門(アモイ)大学のシェンカイ・リン一派が切り込んだ。マウスのカロリー制限で変動する代謝分子700種の中からAMPK変動と呼応する分子を探索。その結果、胆汁酸の一種、リトコール酸が鍵分子であることを見出した。これがインスリン抵抗性を軽減し、NAD+レベルを上げる。腸内細菌の集団変容(マイクロバイオーム)がその背景にあるらしい。ヨーグルトの効能もそこにあるのかもしれない。
文献
Qu Q, et al., Nature 2025; 643(8070): 192-200; Qu Q, et al., Nature 2025; 643(8070): 201-209
筆者
- 森 望(もり のぞむ)
- 福岡国際医療福祉大学特任教授
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