健康長寿ネット

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筋萎縮性側索硬化症(ALS)のケア

公開日:2016年7月25日 10時00分
更新日:2019年8月 2日 11時28分

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の生活の質の改善

 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者の方にとって、病気の発症によって発症以前と同様な生活が難しくなることになります。

 早い時期で病気に対する正しい知識と対処方法を学ぶ事によって、病気に対する不安を取り除くことができます。

 前向きに病気に対して取り組む為に、治療、公的支援、介護支援、在宅ケアを症状に合わせて組み合わせて負担なく日常生活を過ごす工夫が必要となります。症状に合わせて自分で出来ることを行うことで自立した生活を過ごすことができます。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の在宅ケアについて

 病気の進行が早く長期的なケアが必要とされる筋萎縮性側索硬化症(ALS)です。病院や介護施設では長期的なものが難しく、在宅でのケアを行われていることが大多数となります。では、在宅でのケアについて大切なことについて以下のことがあります。

  • 公的介護、ケアの併用で家庭での介護負担軽減
  • 住宅改善、改修、補助器具の設置
  • 筋力低下防止のリハビリテーション
  • 在宅での医療介護について
  • かかりつけ医との連携

 在宅で進行する症状について、かかりつけ医師と症状を確認しながら地域介護支援の援助を受け、必要時に在宅でも利用できるサービスを利用して負担なく自立した生活を送ることができます。

 常に進行していく症状に合わせて在宅で可能な医療対応も必要となります。特に、筋力低下に伴い意思疎通が難しくなる為、早めに意思疎通の確認の手段を確保することも必要となります。人工呼吸器や栄養障害ケアについての本人の意思確認などを行う上で早めに想定してケアをする必要性もあるでしょう。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の在宅ケアを実際に行うにはどうすればよいか

 在宅で行うケアは様々あります。訪問介護、訪問看護、通所リハビリテーション、デイケアサービスなどがあります。自立した支援の為に具体的に必要ものは何か、家族や利用者の希望のサービスとはどういったものかを考えて実際のサービスの計画を立てます。

 実際に利用する際には、地域の地域包括支援センターの担当者や、委託を受けた居宅介護支援事業所の担当者がプランを立て、利用を開始します。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者のケアについて

 病気に対する不安と身体的な機能の低下する不自由さの軽減を目指します。

  • 残存機能の維持の為の在宅でできるリハビリ
  • 運動機能低下した状態の為の補助器具などの利用
  • 残存機能を生かした自立支援、心理的サポート

 残存機能維持の為に自宅でできるリハビリについては、無理しすぎない程度で、健康状態に合わせて行うことがポイントとなります。手足や股関節の運動機能低下の為のものや、自力呼吸の維持の為のもの、そして、嚥下機能維持の為のものなどがあります。理学療法士などの専門職が行う以外に、毎日家族がおこなう簡単なものがあります。

 運動機能低下の為に、補助具などや日常生活の動作を負担がすくなく自分でできるような介護用品などを利用することで負担が少なく自分でできるものを取り入れます。

 例えば、食事の時は介護用のスプーンや箸等の利用や衣類の着脱が簡単なジッパー式の洋服や下着の利用、入浴、トイレの場合はスロープを付けるなど自分でできる範囲は自分で行うことで筋力維持にも努めます。

 日常生活で機能低下の為の介護を行う時のポインントとしては、全て介護を行うといったものではなく、自分できることは自分でするといった自立した支援をすることで筋肉低下の維持と意欲の維持を務めます。進行性で日々出来なくなることが増えてくることに対する不安を取り除くことも大切です。

 また、コミュニケーションを取り難くなる前に早めに訓練に取り組むことで将来に対する不安の解消を行います。デイケアなど自宅以外の外に出ることで気分転換と機能改善といったサービスを利用し、不安な気持ちを和らげるケアも必要となります。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者の家族のケアについて

 在宅で介護を行う場合、家族の援助の割合が多くなってきます。その為に家族に対する介護負担の軽減が必要になってきます。進行性で病状が進むにつれた家族だけでは難しいことが増える為、公的サービスを利用することで、家族の負担も減らし、患者の機能維持にも努めます。

  • デイケアサービスや通所サービスの利用
  • 介護による経済的負担と身体的及び精神的負担の軽減の為、公共サービスの利用や支援制度の申請
  • 介護、看護の補助器具の利用

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