健康長寿ネット

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快眠のためのリラックス法

公開日:2019年6月21日 09時20分
更新日:2019年6月21日 09時20分

 寝る前に身体や心のリラックスを図るとスムーズな入眠と深く質の良い睡眠が得られます。快眠のためのリラックス方法について説明していきます。

快眠のためのリラックス方法の種類

 いつも就寝している時刻が近づくと、脳は覚醒した状態からだんだんとリラックス状態に入り、眠りに入ります。寝る前に身体的なリラックス感を得ると不安な感情やネガティブな思考が軽減し、スムーズな入眠のために有効です。リラックス方法は人によって合うものが異なり、他の人に合う方法が自分に合うとは限りません。自分に合ったリラックス方法を見つけ、工夫することが大切です。リラックス方法の種類としては次のような方法があります。

  • ぬるめの入浴
  • 音楽を聴く
  • 軽い読書
  • 香りを楽しむ
  • ストレッチング
  • ゆっくり深呼吸をする
  • ヨガ

快眠のためのリラックス方法の行い方

 身体や心が緊張している状態では交感神経が活発に働き、目が覚めて入眠しにくくなります。身体や心の緊張を解くことで交感神経の働きが活発になって入眠しやすくなり、深い眠りを得られます。リラックス効果の得られる方法について詳しくみていきましょう。

ぬるめの入浴

 個人差はありますが、お風呂の温度が37度から39度程度のぬるめのお湯への入浴では、副交感神経が優位に働き、身体の緊張がやわらいでリラックス効果が得られると言われています1)。さらに、鎮静作用のあるラベンダー精油(エッセンシャルオイル)などをお湯に垂らして香りを楽しむことで心理的にも気持ちがよい、心地よいと感じられ、心身のリラックスが促されます。精油は、自分の好きな香りの入浴剤などで代用してもよいでしょう。

 お風呂の温度が42度以上の熱めのお湯への入浴は、交感神経が優位に働き、心身が目覚めて活動的となります。一般的には、入浴による脳の温度の上昇が下がるタイミングで入眠が促され、深い睡眠が増加すると言われてています2)

音楽を聴く

 リラクゼーションを目的として音楽を聴くときは、どのような音楽でもリラックスできるわけではなく、リズムが一定していて、音の高低やリズム感が少なく、流れるようなメロディーの曲が良いとされています3)。躍動感があってリズムの良い曲や気分が高揚するような曲、不安感をあおるような曲、騒々しく不快に感じる曲などは、リラックスを得るために聴く音楽としては向いていません。

 リラックスを得られる音楽は一般的にリラクゼーション音楽、ヒーリング音楽などと表現されていますが、それ以外でも自分が聴いて安心感が得られ、心が落ち着き、ゆったりとした気分で過ごせる音楽を選ぶとよいでしょう。

軽い読書

img1:ベッドで寝る前に読書する人の写真

 イギリスのサセックス大学の研究では6分間読書を行うと心拍数の低下と筋肉の緊張が緩和し、リラックスできることが示されています。少しの間、本を読むことに集中することで、日常の悩みやストレスから離れることができるとされています4)

香りを楽しむ

img2:いろいろな香りの8つのアロマ瓶がはいった木箱の写真

 香りは心身機能への影響をもたらします。リラックス効果が得られる香りやスッキリとして目が覚める効果が得られる香りなど、香りによって得られる効果もさまざまです。リラックス効果が得られる香りとしてはラベンダーやカモミールがよく知られています。オレンジ・スイートの香りを寝る前にかぐことで、副交感神経の働きを活発にしてリラックス効果を得ることができ、起床時にもスッキリと目覚められるという研究結果が報告されています5)

ストレッチング

img3:ベッドでハムストリングのストレッチングをする女性

 ストレッチングを行うと血行が改善され、筋肉の緊張が緩和し、リラックス効果が得られます。肩や首の筋肉、背中・腰の筋肉を気持ちが良いと感じるところまでゆっくりと弾みをつけずに伸ばします。息は止めずにゆっくりと呼吸しながらストレッチングを行いましょう。

 椅子に座った状態で行うストレッチをいくつかみていきましょう。

  • 両手を組み、上に伸ばして上半身を伸ばしましょう。
  • 両手を組み、おへそを覗き込むようにして背中を丸くし、組んだ両手を前へ伸ばしていきます。
  • 左右に身体をひねって腰を伸ばします。
  • 首を左右に倒して首を伸ばします。

ゆっくり呼吸をする

 ゆっくりと深い呼吸を意識して行う腹式呼吸はリラックス効果があります。腹式呼吸を意識しやすいように、両手をお腹に当てます。お腹が膨らむのを確認しながら、ゆっくりと5秒間、こころの中で数えて息を吸います。次に、お腹が凹んでいくのを確認しながらゆっくりと10秒間心の中で数えて息を吐いていきます6)

ヨガ

img4:屋外で朝日を背にヨガのポーズを行う女性

 ヨガは呼吸を整えて静かな心を手に入れる瞑想を行います。瞑想を通じて脳がリラックスを感じる状態となります。また、ヨガのポーズを行うことで身体を動かすことで筋肉が柔軟になり、緊張が緩和されることでもリラックス効果が得られます7)

参考文献

  1. 宮島成江ら 心拍応答と気分の指標から見たラベンダー湯入浴のリラクセーション効果 日生気誌34(4):131-138,1997(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  2. 厚生労働省健康局 健康づくりのための睡眠指針 2014 平成26年3月(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  3. 小竹訓子ら 音楽療法のリラクセーション効果に関する研究 県立長崎シーボルト大学看護栄養学部紀要第5巻(2004)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  4. Che Celegraph Reading 'can help reduce stress'(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  5. (公社) 日本アロマ環境協会 オレンジ・スイート精油がもたらす就眠前不安への生理的影響(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  6. 厚生労働省 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト こころの耳 ストレスと上手につきあおうリラクセーションのすすめ 2-7P(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  7. ヨガが丸ごとわかる本 Yogini編集部編 枻出版社 2016年11月30日

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