健康長寿ネット

健康長寿ネットは高齢期を前向きに生活するための情報を提供し、健康長寿社会の発展を目的に作られた公益財団法人長寿科学振興財団が運営しているウェブサイトです。

生体内リプログラミングによる組織幼若化と寿命延伸への試み

公開日:2024年5月 1日 09時00分
更新日:2024年5月 1日 09時00分

 2006年、京都大学の山中伸弥教授らによる4つの転写因子の導入による細胞の若返り現象の発見は衝撃的だった。最終分化した細胞を初期化するiPSの手法は、生体の若返りへの期待をも膨らませている。2016年に米国ソーク研究所で、いわゆる山中の4遺伝子(OSKM)の一時的な導入によってマウス個体内での細胞の若返りと寿命の延伸効果が観察された。その流れを汲むスイスのローザンヌ大学のグループは、今回、マウスでOSKM遺伝子群の長期誘導を検討した。だが、その期待とは裏腹に、肝臓と小腸での不具合でマウスは短命化してしまった。しかし、この2臓器での発現を抑制すれば延命できる。まだまだ多角的な検討と考察が必要だが、個体レベルでの生体の若返りへの応用が模索されている。

文献

Parras A, et al., Nature Aging. 2023; 3(12): 1509-1520

転載元

公益財団法人長寿科学振興財団発行 機関誌 Aging&Health 2024年 第33巻第1号(PDF:5.8MB)(新しいウィンドウが開きます)

無料メールマガジン配信について

 健康長寿ネットの更新情報や、長寿科学研究成果ニュース、財団からのメッセージなど日々に役立つ健康情報をメールでお届けいたします。

 メールマガジンの配信をご希望の方は登録ページをご覧ください。

無料メールマガジン配信登録

寄附について

 当財団は、「長生きを喜べる長寿社会実現」のため、調査研究の実施・研究の助長奨励・研究成果の普及を行っており、これらの活動は皆様からのご寄附により成り立っています。

 温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。

ご寄附のお願い(新しいウインドウが開きます)

このページについてご意見をお聞かせください(今後の参考にさせていただきます。)