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嚥下性肺炎の診断

公開日:2016年7月25日 15時00分
更新日:2019年2月 1日 21時27分

嚥下性肺炎の診断

 実際の臨床では嘔吐後の発熱・咳・痰の増加など、いつ発症したかがはっきりわかる場合もあれば、何となく元気がないだけであったり、熱も咳もなく全く症状がない場合もあります。

 嚥下性肺炎の診断は大きく2つに分けられます。ただし、これらの検査は必須ではなく、状況によって嚥下性肺疾患が推定される場合は、検査を省略して治療に入ることもあります。

誤嚥の診断

反復唾液嚥下テスト

 唾液を30秒間繰り返し飲みこんでもらいます。喉の動きが分からない場合は喉仏に指をあてて飲みこめているかを確認します。30秒間に3回以上唾液嚥下できていれば問題ありませんが、2回未満の場合は嚥下の困難や誤嚥の可能性があります。

水飲みテスト

 冷水3ccを口腔内に入れて飲みこんでもらう。

  1. 嚥下できない・むせる・呼吸が苦しくなる
  2. 嚥下できるが呼吸が苦しくなる
  3. 嚥下でき、呼吸状態も良いが、むせたり痰が絡んだような咳が出る
  4. 嚥下でき、呼吸状態もよく、むせもない

 このうち1、2、3の場合、誤嚥が疑われます。

フードテスト

 小さなスプーン(ティースプーンなど)にプリンやゼリーをすくい、口の中に入れます。

  1. 嚥下できない、むせたり呼吸状態が悪くなる
  2. 嚥下できるが、呼吸状態に変化がみられる(酸素量の低下など)
  3. 嚥下でき、呼吸変化は見られないが、むせたり痰の絡んだような咳をしたり、口の中に食べ物が残っている
  4. 嚥下でき、呼吸変化は見られない。むせや痰の絡んだ咳もみられない。口の中に食べ物は残るが、嚥下を追加するとすべて飲みこめる

 判定不能:食べ物を口から出してしまう。反応がない。

聴診法

 嚥下や食事の前後に喉や肺の音を聞いて、嚥下後や食後の音と比較します。
喉や肺でゴロゴロ音がするようになったり、肺の一部の空気音が聞こえにくくなった場合誤嚥を疑います。

血中酸素飽和度モニター

 血液中の酸素飽和度を調べられる装置(パルスオキシメーター)を装着し、食事を行います。数値が3%以上低下したり、測定値が90%以下になれば誤嚥の可能性があります。

嚥下造影検査(VF)

 レントゲンで白く写る造影剤を飲んで、嚥下状態を見る検査です。調べる形状によって、液体の嚥下機能を見るのであれば造影剤をそのまま、ゼリーであれば造影剤入りのゼリーをつくって嚥下してもらいます。いろいろな姿勢で検査ができる場合もあります。嚥下を直接かつ繰り返し見ることができます。最も正確な検査ですが、検査によって誤嚥を起こすこともあります。

嚥下内視鏡検査(VE)

 鼻から細いカメラ(鼻咽頭喉頭ファイバー)を挿入して、直接カメラで嚥下の時の喉の動きを見ます。嚥下した後、喉にどのくらい食べ物や唾液が残っているかも見ることができます。造影検査と違ってレントゲンを使用しません。移動が難しい患者では病室のベッドのままで検査ができます。

肺炎の診断

身体所見

 発熱・咳・痰の排出があれば肺炎を疑います。胸部の聴診で肺のどこかにゴロゴロと痰のたまった音がしたり、空気が全く入っていない部分があればさらに肺炎を疑います。

胸部レントゲン・CT

 肺炎かどうか、肺炎の広がりなどを見ます。レントゲンでわかりにくい時には胸部CTを追加して行います。

血液検査

 炎症の程度を見るために行います。白血球数やCRPといった炎症反応を反映する数値が上昇していればしているほど一般的には重症です。しかし、高齢者で抵抗力が極度に落ちているときにはこれらの炎症反応は上昇しないこともあります。

喀痰培養

 痰の中の細菌を見る検査です。結果が出るまでに日数を要するため、一般的には細菌を推定して抗生剤を開始し、培養結果が判明したら場合によって抗生剤の変更を検討します。

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