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閉塞性動脈硬化症のケア

公開日:2016年7月25日 10時00分
更新日:2019年6月12日 10時15分

閉塞性動脈硬化症の発症、悪化を防ぐためにできること

生活習慣病を放置しない

 高脂血症や高血圧、糖尿病などといった生活習慣病の患者数は年々増加傾向にあります。これらの生活習慣病の怖いところは、単体での自覚症状が乏しく、異変を感じたときには重度となってしまっていることが多い、ということです。

 閉塞性動脈硬化症の場合、下肢にかかわらず、全身に動脈硬化が進んでいることが多く、特に脳血管疾患や心疾患といった生きていくために重要な臓器の血管にも障害が出ていることが多くみられます。

 また、閉塞性動脈硬化の患者さんのうち、全体の3/5が高血圧の持病があり、1/4に糖尿病の持病がみられるというデータもあります。

 「まだ何も症状がないから」と放置したり、治療を自己中断するのではなく、定期的に治療を継続させることが、閉塞性動脈硬化症の悪化や進行を防ぐうえで重要です。

足先の感覚の確認

 閉塞性動脈硬化症の初期症状の一つとして、「冷感」があげられます。血流が正常ならば、常に酸素やエネルギーが届けられるため、冷感が出ることはほとんどありません。しかし、閉塞性動脈硬化症によって血流が障害され、十分な酸素やエネルギーが供給されなくなってしまうと、温度を保つことができなくなり、冷感が起こります。

 特に糖尿病などにより足先の感覚が低下してしまうと、痛みや冷感を感じることができず、気が付いたときには症状が悪化してしまいます。

 そこで、定期的に足先を触ってみて、左右の感覚に差がないか、また片方だけ冷たくなっていないかといったことを確認することが大切です。自分で触ることが難しい場合には、定期的に家族に触ってもらうなどして確認を行う方法もあります。

運動習慣をつける

 動脈硬化の進行を遅らせる方法の一つに、運動があげられます。これは、運動によって血液の循環を促進させる効果が期待できるとともに、筋力をつけることで血管の伸縮を助けることができるためです。

 運動のためにわざわざ時間をとるというのは大変ですし、動脈硬化がある状態での過度な運動はかえって血管を傷つけてしまう可能性もあるため、適度なウォーキングや、エスカレーターではなく階段を使用するようにするなど、日常生活の中で運動を適度に組み込むことが大切です。

動脈硬化と診断されたら、全身の動脈を確認する

 健康診断などで「動脈硬化がある」と診断された場合、ぜひおすすめしたいのが全身の動脈チェックです。

 特に脳や心臓は動脈硬化による影響を受けやすいとされており、脳血管の動脈硬化が進むと脳梗塞を発症する原因となりますし、心臓の動脈硬化が進むと、心臓を動かすために必要な冠動脈が狭窄することで発症する「心筋梗塞」の原因となります。

 これらの確認は、健康診断によって診断されることもまれにありますが、ほとんどの場合はより詳しい検査を受けることで初めて発覚することもあります。

 そのため、動脈硬化と診断された時点でこれらの病気を起こしやすいということを自覚し、今の時点でどのくらい危険なのかを健康診断や人間ドックなどで詳しく調べてもらい、状態を把握しておくことが大切となります。

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