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閉塞性動脈硬化症の治療

公開日:2016年7月25日 11時00分
更新日:2019年2月 1日 21時50分

早期発見、早期治療の重要性

 閉塞性動脈硬化症は、初期段階で見つけることが難しいことが多い病気です。痛みやしびれなどが実感できないことから、気が付いたときには病気が進行しており、治療ができずに切断という最悪のケースになってしまうこともあります。

 そのため、できる限り早期に閉塞性動脈硬化症を発見し、治療を開始することが何より重要となります。

危険因子の除去

 閉塞性動脈硬化症は、様々な危険因子によって引き起こされやすくなります。(リンク1参照)そのため、閉塞性動脈硬化症を治療するにあたって、まずはこの危険因子そのものを取り除いたり、極力コントロールすることが何より重要となります。

 高脂血症の場合は食生活を見直し、コレステロールの高い食品を控えたり、コレステロールを下げるお薬を飲むことでコレステロールの値をコントロールする必要があります。

 糖尿病の場合は食生活を見直すとともに日ごろから運動をするように心がけ、ベースの血糖を下げる必要があります。食事や運動を改善しても血糖に効果が見られなかった場合は、薬を使って血糖のコントロールを行います。

 喫煙をされている場合は、ただちに禁煙を行うようにしますが、個人での禁煙は失敗してしまうことが多いため、専門外来に通院を進め、ニコチンパッチなどを使用しながら行うことが奨励されています。

 高血圧の場合は、降圧剤を使って血圧をコントロールします。

 なお、これらの危険因子のコントロールのために使用する薬は、すべて自己中断してしまうとコントロール不良となり、急激な値の変化によって血管を傷つけてしまう可能性が高いことから、医師の指示に従い、自己中断はしないようにすることも大切です。

リンク1 「閉塞性動脈硬化症の原因」

閉塞性動脈硬化症の治療

 閉塞性動脈硬化症そのものの治療としては、以下の治療が行われます。

薬物療法

 動脈硬化によって血管内が狭くなってしまうため、血管拡張剤を使用し、血管そのものが広がるように促すほか、狭くなった血管によって血液の流れが悪くなり、血の塊ができないように血液が固まりにくくなる抗血小板薬を使用します。

血行再建術

 閉塞性動脈硬化症が進行し、血管が高度に狭窄もしくは閉塞している場合、血流を回復させるために行うのが「血行再建術」です。

 「経皮的血管形成術(PTA)」では、血管の中にバルーンと呼ばれる空気を入れる風船なようなものを挿入し、血管内で膨らませることで狭窄している部分を広げる治療です。膨らました部分にステントと呼ばれる金属を挿入し、血管が再び狭窄しないように処置をすることもあります。

 「バイパス術」では、血管どうしを別の場所の血管や人工的に作られた血管によって新たにつなぎ合わせ、狭窄や閉塞によって失われた部分に新たに血流を作る治療となります。

切断術

 血管の閉塞や狭窄が進み、壊死してしまった部分は放置しておくとその部分から細菌感染を起こし、全身状態が危険となる可能性があります。そのため、壊死してしまった部分を切除する必要があります。足の切断はその後の患者さんの人生に大きな障害となってしまうため、行われる際は十分な説明が必要となります。

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