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閉塞性動脈硬化症の原因

公開日:2016年7月25日 13時00分
更新日:2019年6月20日 17時28分

なぜ、閉塞性動脈硬化症が起きるのか

 人間には、体の隅々にまで大小さまざまな血管が張り巡らされており、酸素やエネルギーを運んでいます。心臓がたえまなく動き続け、そのポンプ作用によって血管が収縮することで、隅々の血管まで血液がいきわたります。

 しかし、血管はつくりかえることができない臓器のため、加齢とともに少しずつその収縮性が失われていきます。加齢のみが原因であれば、生涯にわたり大きな病気の原因とはなりませんが、他にもさまざまな原因が少しずつ積み重なることで動脈硬化が起き、そして閉塞性動脈硬化を発症してしまいます。

閉塞性動脈硬化症を引き起こす疾患

 閉塞性動脈硬化症を引き起こす原因としてあげられる疾患には、以下のものがあげられます。

高血圧

 血圧は、血液を心臓から体の隅々にまで送るための血管へかかる「圧力」をさします。血圧は正常値内であれば血管へ負担をかけることはありませんが、高血圧となると血管へ過度な圧力をかけ続けていることになります。そのため、血管の収縮性の低下を引き起こすため、閉塞性動脈硬化症を引き起こす疾患となります。

糖尿病

 血液内には、常に一定量の糖分が含まれています。この糖分は、正常値であれば血液を通じて全身に運ばれ、エネルギー源として使用され、余った分は脂肪として体内に蓄積されます。

 しかし糖尿病となると血液内の糖分のコントロールができなくなってしまうため、通常以上の量の糖分が血液に含まれてしまいます。過度な糖分は血管の内部をボロボロにしてしまうため、血管そのものの伸縮性や内壁を狭くしてしまい、動脈硬化を引き起こす原因となります。

喫煙

 喫煙には様々な害があるとされていますが、害の一つに「血管を過度に収縮させてしまう」というのがあげられます。喫煙によって血管を急激に、そして過度に収縮させてしまうため、血管に対してダメージを与えてしまいます。喫煙ごとに少しずつ、血管にダメージを与えているため、動脈硬化も少しずつ進行していきます。

脂質異常症

 脂質異常症とは、一般的にはよく「高コレステロール血症」と呼ばれています。昔に比べ欧米化してきた食事や、歩行などの運動量の低下により、特に中年以降の方々に多く見られます。

 コレステロールが高い状態だと、血管の内部にコレステロールが固まり、血管の内部を狭くしてしまいます。そのため、血液は狭い部分を無理やり通らなくてはいけなくなるため、より圧力を高くすることで対応しようとします。

 血管内が狭いというだけでも血管にとって負担ですが、それと同時に圧力を強くかけることでさらに血管を過度に刺激しています。そのため、血管そのものの伸縮性を奪うという意味でも、脂質異常症は重要な危険因子となります。

 今回あげたこれらの因子は、すべて「生活習慣」に関係しています。閉塞性動脈硬化症を防ぐために、まずは日ごろの生活習慣を改め、生活習慣病を改善することが大切となります。

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