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変形性関節症の原因

変形性関節症のメカニズム

 変形性関節症は、さまざまな原因により関節の軟骨がすり減ることを契機に発症します。関節軟骨は、以下のような役割をもっています。

  • 骨が受ける衝撃を吸収する
  • 骨と骨との摩擦を防ぐ
  • 関節の曲がる角度を調整する

 軟骨がすりへることで、関節における上記のような働きがうまくいかなくなり、関節の変形・痛み・腫れなどが進行します。

 その詳しいメカニズムは下記の通りです。

  1. 運動などの刺激により、軟骨の表面が少しすり減ると、これを補修するために軟骨細胞が増殖します。また、軟骨の水分量が増えて、軟骨が軟らかくなります。このときはまだ自覚症状はほとんど認めません。
  2. 軟骨の修復能力を上回って軟骨がすり減ると、すり減った角度にあわせて関節が変形します。また軟骨がすり減った部分で関節にかかる衝撃が増加し、炎症(関節炎)が起こります。この頃から関節運動により痛みが出るようになります。
  3. 関節軟骨の成分が変化し、軟骨に含まれる水分量が減り、弾力も失われていきます。この頃から関節の動かしづらさ(可動域制限)が生じます。関節の滑りをよくする関節液が大量に分泌されて、関節に腫れや痛みが出ることもあります(関節水腫:かんせつすいしゅ)。
  4. 軟骨のすり減りがさらに進行すると、軟骨の下の骨が露出し、骨同士がこすれあうため痛みや関節の動かしづらさが悪化します。
  5. 骨同士がこすれあう刺激で、骨の変形が進行します。痛みが激しく、歩行が不自由になるほか、安静時にも痛みを自覚するようになります。

変形性関節症を発症する原因

 変形性関節症の原因には、加齢や、スポーツ・労働などによる負荷、外傷、関節の不安定性などがあります。また、体重増加や、遺伝的素因も関係すると言われています。

 明らかな原因を認めないものを「一次性関節症」、原因が特定できるものを「二次性関節症」といいます。日本人の変形性膝関節症のほとんどが、一次性関節症です。

 一方、日本人の変形性股関節症のほとんどは「臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)」を背景に発症する、二次性関節症です。

 臼蓋形成不全は、股関節の骨盤側の発達が不完全な状態です。生まれつき臼蓋形成不全がある子供は股関節を脱臼しやすく、脱臼をそのままにしておくことでも、正常な発達が妨げられます。臼蓋形成不全だけでは子供の頃には症状が出にくく、成長して成人、または高齢になってから変形性股関節症の症状が出るようになります。

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