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関節リウマチの診断

公開日:2016年7月25日 12時00分
更新日:2019年8月15日 11時54分

関節リウマチの診断基準

 従来、関節リウマチの診断には、昭和63年(1987年)に作成された米国リウマチ学会の診断基準が用いられてきました。しかし、この診断基準では症状が進行した患者さんしか診断できませんでした。

1987年米国リウマチ学会 分類基準

 以下の7項目中4項目を満たせば関節リウマチと診断する。

 ただし、1~4は6週間以上持続することが必要。

  1. 1時間以上の朝のこわばりが、少なくとも6週以上あること
  2. 3カ所以上の関節腫脹が、少なくとも6週以上あること
  3. 手関節、中手指節関節、または近位指節関節の腫脹が、少なくとも6週以上あること
  4. 対称性関節腫脹が、少なくとも6週以上あること
  5. リウマトイド結節(皮下結節)を認めること
  6. 健常人の5%以下が陽性となる方法での血清リウマトイド因子陽性
  7. 典型的な骨びらん、あるいは明確な骨脱灰像を含む手のX線所見

 そこで、早期診断を可能とするため、平成22年に以下のように診断基準が改定されています。なかには、この診断基準を満たさない患者さんもいますので、全身状態や臨床経過を参考に、総合的に判断することが重要です。

米国・欧州リウマチ学会合同 関節リウマチ新分類基準(2010年)1)

 近年、発症早期から強力な抗リウマチ薬で治療を開始すれば関節の破壊を抑えられることが多くの研究で証明され、早期診断の重要性が叫ばれるようになってきました。そのため2009年の米国リウマチ学会において、欧州リウマチ学会との共同作成による新しい関節リウマチ分類基準(試案)が発表され、若干の改定を経て翌2010年に論文化されました。この新分類基準は、早期診断には極めて有用だと考えられています。

米国・欧州リウマチ学会合同 関節リウマチ新分類基準(2010年)

  • 少なくとも1つ以上の明らかな腫脹関節(滑膜炎)があり1、他の疾患では説明できない患者2がこの分類基準の使用対象となる
  • 明らかな関節リウマチと診断するためには下表の合計点で6点以上が必要
図:米国欧州リウマチ学会合同関節リウマチ新分類基準(2010年)の表
  1. この基準は関節炎を新たに発症した患者の分類を目的としている。関節リウマチに伴う典型的な骨びらんを有し、かつて上記分類を満たしたことがあれば関節リウマチと分類する。罹病期間が長い患者(治療の有無を問わず疾患活動性が消失している患者を含む。)で、以前のデータで上記分類を満たしたことがあれば関節リウマチと分類する。
  2. 鑑別診断は患者の症状により多岐にわたるが、全身性エリテマトーデス、乾癬性関節炎、痛風などを含む。鑑別診断が困難な場合は専門医に意見を求めるべきである。
  3. 合計点が5点以下の場合は関節リウマチと分類できないが、将来的に分類可能となる場合もあるため、必要に応じ後日改めて評価する。
  4. DIP関節、第1CM関節、第1MTP関節は評価対象外
  5. 大関節:肩、肘、股、膝、足関節
  6. 小関節:MCP、PIP(IP)、MTP(2~5)、手関節
  7. 上に挙げていない関節(顎関節、肩鎖関節、胸鎖関節など)を含んでも良い。
  8. RF: リウマトイド因子。陰性:正常上限値以下、弱陽性:正常上限3倍未満、強陽性:正常上限の3倍以上。リウマトイド因子の定性検査の場合、陽性は弱陽性としてスコア化する。
  9. 陽性、陰性の判定には各施設の基準を用いる。
  10. 罹病期間の判定は、評価時点で症状(疼痛、腫脹)を有している関節(治療の有無を問わない。)について行い、患者申告による

関節リウマチの検査

 検査では、以下のような項目がチェックされます。これらにより、類似疾患との鑑別も行われます。

問診・身体所見

 病歴や家族歴を詳しく問診します。

 また、発熱や、食欲不振などの全身症状と関節症状が確認されます。

血液検査

 リウマチ因子、抗CCP抗体などの免疫関連因子、CRPや赤沈などの炎症反応、軟骨破壊に関連する酵素であるMMP--3などを検査します。また、貧血の有無など、合併症についても検査が行われます。

レントゲン検査

 手指の関節や、腫れている関節の骨に、特徴的な骨びらん(骨がかけている所見)がないか確認します。また、胸部レントゲン写真では、胸膜炎などの合併症の有無についても確認されます。

MRI検査・超音波検査

 レントゲンでまだ変化が見られないような、早期の骨びらんや滑膜炎を描出します。

参考文献

  1. 難病情報センター 悪性関節リウマチ(指定難病46)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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