健康長寿ネット

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関節リウマチの原因

関節リウマチのメカニズム

 関節リウマチの発症には、関節の袋(関節包:かんせつほう)の内側を裏打ちしている「滑膜(かつまく)」における、自己免疫の異常が関与します。

 免疫異常のターゲットとなった滑膜では、血管を通じて、全身からリンパ球・マクロファージなどの炎症細胞が集まります。これらの細胞により、炎症反応を促すさまざまな化学物質(炎症性サイトカイン)が分泌されることで、滑膜に炎症がおこり、関節の腫脹や変形につながります。

 このときに分泌される炎症性サイトカインには、TNFα(ティーエヌエフアルファ)、IL-6(インターロイキンシックス)などいくつかの物質があることが明らかになっています。近年では、これらの炎症性サイトカインをターゲットとした薬物療法が開発され、目覚しい効果をあげています。とはいえ、どのような自己免疫の異常が、なぜ起こるのか、などの詳しいメカニズムは不明です。

関節リウマチを発症する背景

 関節リウマチ発症の背景には、遺伝因子と環境因子の両方が関与すると考えられています。あらかじめ遺伝因子があるところに、環境因子の影響で免疫反応の変化が加わることで、関節リウマチを発症する、というものです。

遺伝因子

関節リウマチの発症にはさまざまな遺伝子が関与する

 ある特定の遺伝子が関節リウマチの原因となるわけではなく、遺伝子配列の個人差(遺伝子多型:いでんしたけい)が組み合わさることで、関節リウマチにかかりやすい状態ができると考えられています。

 たとえば、関節リウマチの患者さんでは、免疫に関連する遺伝子のなかでも「HLA-DR4」という遺伝子型を持った人の割合が高いことが明らかになっています。しかし、健康な人でも40%程度の人がこの遺伝子型を持っています。また、この遺伝子型を持たなくても関節リウマチを発症する患者さんもいます。HLA-DR4は、関節リウマチを発症しやすくする数多くの要因の1つにすぎないということです。

 このように、関節リウマチの発症には、さまざまな遺伝子が組み合わさって作用するのです。発症に関与すると考えられる遺伝子は、すでに数十個発見されています。

遺伝子だけでは発症しない

 親や兄弟に関節リウマチの人がいると、そうでない人に比べて4倍関節リウマチになりやすいという報告があります。つまり、関節リウマチには遺伝が関与しているということです。とはいえ、遺伝子が全く一緒の一卵性双生児の片方が関節リウマチを発症した場合には、もう片方が関節リウマチになる確率は15〜30%です。二卵性双生児の場合、この確率は7%程度に下がります。すなわち、関節リウマチの発症には遺伝因子が関係しているものの、その関与は30%ほどであり、残りの70%は出生後の後天的要素、すなわち環境因子が関与しているということです。

環境因子

 リウマチの発症・進行に喫煙が関与することが明らかになっています。そのほか、感染症や出産、手術、ストレスなども、リウマチの発症に関与するといわれています。

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