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帯状疱疹

帯状疱疹とは

 帯状疱疹とは、幼少期にかかった水疱瘡(水痘)のウイルスが体内に潜伏し続け、なんらかのきっかけにより発症する病気です。水疱瘡(水痘)ウイルスと帯状疱疹ウイルスは同じ性質のもので、1回目に発症した時は水疱瘡(水痘)の症状が出ますが、2回目以降に活性化して発症すると、帯状疱疹と呼ばれます。

 帯状疱疹が発症する要因として考えられるのは、ウイルス対する免疫力の低下です。日本人では、6~7人に1人くらいが発症するといわれています。子どもの頃に、水疱瘡になったことがある人の約10~20%の人が、帯状疱疹を発症します。

 帯状疱疹を発症すると、治癒の過程で帯状疱疹のウイルスに対する免疫力がつきますので、すぐに再発することは少ないのですが、数年経つと再び免疫力が低下し、再発することもあります。しかし、帯状疱疹が再発する可能性はその中の5%以下ですので、再発を繰り返すことは少ない病気です。

 帯状疱疹は、他人からウイルス感染するのではなく、かつて発症した水疱瘡(水痘)のウイルスが、自分の体内に潜伏してはいたものの、そのウイルスが悪さをしないように、免疫力で抑えてきたものです。しかし、免疫力が低下することで、ウイルスが再び増殖を始め、やがて神経痛や写真のような発疹(皮疹)といった症状が出てくることになります。

 このような帯状疱疹が成人に感染する確率は極めてまれですが、まだ水疱瘡に感染していない乳幼児や高齢者は、感染する可能性があるので注意しましょう。

写真:帯状疱疹による発疹(皮疹)。右わき下部分に発疹が確認できる

写真:帯状疱疹による発疹(皮疹)
写真:公益社団法人日本皮膚科学会 1)

帯状疱疹はなぜ起こるのか

 水疱瘡(水痘)ウイルスは、完治した後でも、ずっと体内に潜伏しています。潜伏している場所は、後根神経節と呼ばれる部位です。後根神経節とは、脊椎(背骨の間)から皮膚に向かって伸びる神経の、背中側にある塊のような部分のことで、この後根神経節に潜伏していたウイルスが何らかの要因で再活発化するのが帯状疱疹です。その要因としては、加齢や過労、ストレスなどによる免疫力の低下が挙げられます(図1)。

図1:帯状疱疹を発症する仕組みを示す図。これまで水疱瘡にかかったことがない人には帯状疱疹患者から水疱瘡ウイルスが感染し、水疱瘡として発症します。子供の頃に水疱瘡にかかった人は免疫があるため、帯状疱疹患者や水疱瘡患者かウイルスはうつらず、帯状疱疹を発症しません。

図1:帯状疱疹を発症する仕組み

 帯状疱疹を発症した時は、免疫力が低下している時です。無理をしないで意識的に休息をとることが大切です。また、栄養のあるものをしっかりと食べ、十分な睡眠時間も確保してください。

 また、悪性腫瘍など病気の合併症や手術、放射線照射などが要因となって、帯状疱疹を発症することもあります。しかし、体力や免疫力が戻れば、それ以上に悪さはしませんので、必要以上の怖がることはありません。

帯状疱疹が発症する要因をまとめると

 帯状疱疹が発症する要因はいくつかありますが、まとめると次のようになります。

  • 加齢
  • 免疫力の低下
  • 過労
  • ストレス
  • 病気の合併症(悪性腫瘍など)
  • 手術
  • 放射線照射

帯状疱疹の症状は?

 水疱瘡(水痘)ウイルスが再活性化すると、後神経節の中で増殖を繰り返します。増殖したウイルスは、知覚神経を通って表皮へ移動し、今度は表皮細胞の中で増殖を繰り返します。ウイルスは神経の走行にそって移動していくため神経の痛みが出たり、図2のように神経の走行に沿った部分に発疹(皮疹)がみられるようになります。

 帯状疱疹の症状は、神経の走行にそった痛みから始まり、やがて発疹(皮疹)ができ、その後はかさぶたが出来ます。かさぶたが治るまで、およそ3週間から1カ月かかります。この間も痛みは続き、多くの場合は強い痛みを伴います。

図2:神経の流れに沿って帯状疱疹による皮膚症状があらわれることを示す図。例えば背中の神経に沿ってウイルスが活動を始めると、神経に沿って皮膚が発赤、水ぶくれができる。また、顔の三叉神経に沿ってウイルスが活動を始めると顔や眼、耳などに皮膚症状が出る。

図2:神経の流れに沿って皮膚症状があらわれる

帯状疱疹かもしれないと思ったら

 帯状疱疹を発症したかもしれないと気づいたら、早めにかかりつけ医を受診してください。早い時期に治療を開始すると、まだ症状が軽いうちに、早く治すことが出来ます。

 治療方法としては、抗ウイルス薬の内服が一般的です。ただし、薬の副作用として、吐き気や嘔吐、頭痛や錯乱、腎機能障害などが起こる可能性があります。

写真引用元

1) 公益社団法人日本皮膚科学会(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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