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多系統萎縮症とは

公開日:2016年7月25日 15時00分
更新日:2019年2月 1日 18時12分

多系統萎縮症とは?

 多系統萎縮症とは、非遺伝性(後天性)な脊髄小脳変性症の代表的な疾患で、発症原因やそのメカニズムは、まだ分かっていません。

 脳内にある中枢神経細胞にふくまれるグリア細胞(神経の伝達などを行う細胞)のうち、オリゴデンドログリアとよばれる細胞に異常をきたしています。オリゴデンドログリアは、神経細胞の外側を覆う軸索を作り出す働きがありますが、この働きに異常をきたすため、神経の伝達機能に異常をきたします。

 かつて多系統萎縮症は、パーキンソニズムを主症状とする線条体黒質変性症(SND)、小脳失調症を主症状とするオリーブ橋小脳変性症(OPCA)、自律神経症状を主症状とするシャイ・ドレーガー症候群(SDS)、の、3つの疾患があると考えられていましたが、近年の研究により、同じ疾患の症状の現れ方の違いであることが分かり、2003年 (平成15年)より多系統萎縮症に統合されました。

多系統萎縮症は3つのタイプに分かれる

 多系統萎縮症はかつて、3つの疾患に分かれていると考えられていました。

  • 線条体黒質変性症
  • オリーブ橋小脳萎縮症
  • シャイ・ドレーガー症候群

 それぞれの発症後発年齢や、実際にあらわれる症状などに違いがあります。

多系統萎縮症の分類その1 線条体黒質変性症

 線条体黒質変性症は50歳以降に発症するケースが多く、男性の方が、女性よりもやや多いようです。多系統萎縮症のうち、およそ30%を占めています。組織学的にみると、神経細胞とオリゴデンドログリアに、不溶化したα-シヌクレイン(蛋白質が凝集した特殊な封入体)が形成され、蓄積していくことで、進行性の細胞変性脱落をきたす疾患、とされています。

 初期の代表的な症状として、表情に乏しい、筋肉がかたくこわばる、動作が遅くて緩慢になる、などがあります。パーキンソン病と似た症状がみられますが、病状が進むとパーキンソン病の薬が効かなくなり、ADL(日常生活動作)障害の進行が早い場合は、この疾患が疑われます。

多系統萎縮症の分類その2 オリーブ橋小脳萎縮症

 オリーブ橋小脳萎縮症は40歳以降に発症することが多く、男女の差はありません。多系統萎縮症のうち、およそ70~80%を占めており、日本では3つの病態の中で、もっとも患者数が多いタイプです。脳のMRI画像では、小脳や脳幹の委縮、延髄オリーブが小さいなどの特徴が認められます。

 初発から病初期では、起立時・歩行時のふらつき、呂律が回らない、手先の細かい正確な動きの障害、などがみられます。これらは小脳性運動失調とよばれ、例えば、箸を使う、ボタンをかける・外す、字を書くなど、普段は意識しないで行うことができる日常生活動作が、上手く行えなくなります。

 この疾患の原因は分かっていませんが、遺伝はしないと考えられています。しかし、極めて稀に、血縁者の中での発症例があることから、この疾患になりやすい体質があるかもしれないとして、研究が進められています。

多系統萎縮症の分類その3 シャイ・ドレーガー症候群

 シャイ・ドレーガー症候群は50歳以降で発症するケースが多く、多系統萎縮症のうち、およそ16%を占めているといわれています。組織学的には、線条体黒質変性症やオリーブ橋小脳萎縮症と共通であるといわれています。病気が進行すると、頭部の画像検査で、小脳と脳幹部の萎縮が確認できます。原因は不明ですが、遺伝しないことが分かっています。

 初期の頃から、起立性低血圧や立ちくらみ、尿失禁などの自律神経の障害による症状がみられます。この他、汗をかかない、睡眠時無呼吸やいびき、男性であればインポテンツなどの症状もあります。この疾患は、ゆっくりと進行していきますが、前述のような症状に続き、小脳障害やパーキンソン症状もみられるようになります。

 根本的な治療法は確立されていませんが、それぞれの症状をやわらげるようなお薬を服用したり、「立ちくらみなどによる転倒の予防」などの生活指導が行われます。

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