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認知症対応型通所介護とは

公開日:2019年2月12日 17時35分
更新日:2019年10月23日 09時00分

認知症対応型通所介護とは1)2)3)

 認知症対応型通所介護とは要介護状態となった場合においても、認知症である利用者(認知症の原因となる疾患が急性の状態にある者を除く)が可能な限り自身の居宅において、持っている能力に応じて自立した日常生活を営むことができるよう生活機能の維持や機能向上を目指し、必要な日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、利用者の社会的孤立感の解消及び心身の機能の維持並びに利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減を図る目的で提供されるサービスです。

 つまり、認知症の方に限定した小規模な通所介護サービスです。一般の通所介護では施設側が認知症の方に対応しきれていなかったり、スタッフや環境になじめなかったりすることがあります。しかし、「認知症対応型通所介護」は、認知症の方へのケアを提供することを目的とした事業所であるため、専門的なケアを受けることができます。何かのプログラムをもって残された身体機能を維持するというよりも、利用者本人が楽しく通い続けることができるように工夫がされていることから、認知症の方に合ったサービスが提供されます。

 例えば、認知症の方は昔のことをよく覚えていることから、昔のおもちゃなどを用意する回想法や、昔の童謡などを利用した音楽療法などです。

認知症対応型通所介護の施設の種類4)

 認知症対応型通所介護を提供する施設は、認知症の利用者を対象とした利用定員12人以下の通所介護事業所(デイサービスセンター等)で、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設等に併設されているもの(併設型)と、認知症対応型デイサービスとして単独で設置されているもの(単独型)、グループホームのリビングや食堂の共用スペースで提供する(共用型)があります。 いずれの場合も、送迎サービスがついています。

認知症対応型通所介護のサービスの内容

 認知症対応型通所介護のサービスの具体的な内容は、脳血管疾患、アルツハイマー病等により記憶機能等の認知機能が低下し日常生活に支障が生じている要介護者に対して、デイサービスセンター等において、入浴、排泄、食事等の介護、機能訓練を提供するサービスです。2006年4月の介護保険制度の改正により、地域密着型サービスの一つと位置づけられました。

 地域密着型サービスは、認知症高齢者や中重度の要介護者が、住み慣れた自宅や地域でできるかぎり生活が続けられるように、地域ごとの実情に応じた柔軟な体制で介護サービスが提供されるしくみです。地域との連携や運営の透明性を確保するために2016年からは運営推進会議の設置が義務付けられています。

 サービスを提供する事業所の指定や指導監督は市町村で行います。このため、原則として、このサービスを利用できるのは、事業所がある市町村の住民です。

認知症対応型通所介護の対象者

 認知症対応型通所介護とは、認知症と診断された要介護1以上の方で、事業者と同一の市町村に居住している方が対象となります。

 なお、要支援者は、介護予防を目的とした「介護予防認知症対応型通所介護」が利用できます。

認知症対応型通所介護の自己負担額(1割の場合)の目安4)5)

 認知症対応型通所介護の基本報酬は、2時間ごとの設定となっていましたが、2018年度介護報酬改定に伴い、事業所のサービス提供時間の実態を踏まえて、基本報酬のサービス提供時間区分を1時間ごとに見直されることになりました。

 認知症対応型通所介護の実際の利用料は、単独型か併設型か共用型かによって異なります(表1、表2、表3)。

 なお、利用者の自己負担割合は原則1割ですが、一定以上の所得のある者の場合は2割又は3割負担となります。

表1:単独型事業所の場合の自己負担額(1割の場合)の目安6)
3時間以上4時間未満4時間以上5時間未満5時間以上6時間未満6時間以上7時間未満7時間以上8時間未満8時間以上9時間未満
要介護1 540円 566円 853円 875円 989円 1,021円
要介護2 594円 623円 945円 969円 1,097円 1,132円
要介護3 650円 681円 1,035円 1,061円 1,204円 1,242円
要介護4 705円 738円 1,127円 1,156円 1,312円 1,355円
要介護5 759円 795円 1,219円 1,250円 1,420円 1,465円
  • 送迎に係る費用は含まれています。
  • 日常生活費(食費・おむつ代など)などは、別途負担となります。
表2:併設型事業所の場合の自己負担額(1割の場合)の目安6)
3時間以上4時間未満4時間以上5時間未満5時間以上6時間未満6時間以上7時間未満7時間以上8時間未満8時間以上9時間未満
要介護1 489円 512円 767円 786円 889円 917円
要介護2 538円 563円 849円 871円 984円 1,015円
要介護3 586円 615円 931円 955円 1,081円 1,115円
要介護4 636円 666円 1,011円 1,037円 1,177円 1,215円
要介護5 685円 717円 1,094円 1,122円 1,272円 1,314円
  • 送迎に係る費用は含まれています。
  • 日常生活費(食費・おむつ代など)などは、別途負担となります。
表3:共用型事業所の場合の自己負担額(1割の場合)の目安6)
3時間以上4時間未満4時間以上5時間未満5時間以上6時間未満6時間以上7時間未満7時間以上8時間未満8時間以上9時間未満
要介護1 265円 277円 443円 455円 520円 537円
要介護2 275円 288円 458円 470円 539円 556円
要介護3 284円 297円 475円 487円 557円 575円
要介護4 293円 307円 491円 503円 575円 594円
要介護5 303円 317円 507円 519円 595円 615円
  • 送迎に係る費用は含まれています。
  • 日常生活費(食費・おむつ代など)などは、別途負担となります。

 上記の料金以外に、介護福祉士の専門性を評価し、さらに勤務年数にも着目したサービス提供体制強化加算、また、介護職員処遇改善加算(現行加算)、介護職員等特定処遇改善加算(特定加算)が加わり、利用する事業所により自己負担が異なる場合があります。詳しい利用料などについては、利用を予定している事業所や、担当のケアマネージャーに確認しましょう。

要介護区分によるサービスの利用について

 要介護度が要支援1と要支援2の高齢者は、「介護予防認知症対応型通所介護」のサービスを、要介護1~5の高齢者は、「認知症対応型通所介護」サービスを利用することができます。

認知症対応型通所介護サービスを提供する人員の体制7)

 認知症対応型通所介護のサービスを提供する人員の体制は、施設の形態によって異なります。

単独型・併設型

  • 生活相談員:1人(事業所のサービス提供時間に応じて1人以上配置)
  • 看護職員又は介護職員:2人(1人+単位のサービス提供時間に応じて1人以上配置)
  • 機能訓練指導員:1人以上
  • 管理者:厚生労働大臣が定める研修を修了している者が、常勤専従。

共用型

  • 従業者の員数:認知症対応型共同生活介護事業所等の各事業ごとに規定する従業者の員数を満たすために必要な数以上。
  • 管理者:厚生労働大臣が定める研修を修了している者が、常勤専従。

参考文献

  1. 江田章江ほか編:困りごとから探せる介護サービス利用法[改訂版], 社会福祉法人東京都社会福祉協議会, 東京都, 2017年, P96
  2. どんなサービスがあるの? - 認知症対応型通所介護 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  3. 地域密着型サービスの概要 関東信越厚生局(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  4. 牛越博文監修:図解 介護保険のしくみと使い方がわかる本. 講談社, 東京都, 2018年, P92
  5. 平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について 10.認知症対応型通所介護 ④基本報酬のサービス提供時間区分の見直し, 厚生労働省 p88(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  6. 令和元年度介護報酬改定について 厚生労働省(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  7. 厚生労働省 認知症対応型共同生活介護、認知症対応型通所介護の報酬・基準について(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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