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肺炎のケア

公開日:2016年7月25日 10時00分
更新日:2019年6月12日 11時50分

 肺炎になったらどうすれば良いのか

肺炎のケアのポイント

 肺炎になった時のケアのポイントはいくつかあります。

 まず、肺炎になると、咳や高熱などの症状がみられ、かなりの体力を消耗します。肺炎になった時に一番必要なのは、安静と休養です。また、無理して食べる必要はありませんが(嘔吐などの原因にもなり得るため)、少しでも体を起こせるようになったら、消化が良く栄養価が高いものを、食べるようにしましょう。水分を多く取ることも必要です。

 さらに、医療機関を受診してお薬を処方されているのなら、医師の指示通りにきちんと服用を続けましょう。

肺炎になった時のケアのポイント

  • 安静を保ち、充分な休養を取る
  • 食べられるようになったら、消化が良く栄養価が高いものを食べる
  • 水分はいつもより多く取る
  • お薬は医師の指示通りにきちんと服用する

安静を保ち、充分な休養を取る

 肺炎には色々な症状がありますが、特に強い咳、長く続く咳、何度も繰り返す咳が、多くみられるようになります。また、肺炎の原因となる微生物によっては、高熱が出ることもあります。特にウイルスの感染による肺炎の場合は、39度を超えるような高熱が出ることも珍しくありません。

 このような状態が数日続くと、もともと体力や抵抗力(免疫力)が低下している高齢者は、気づかないうちに多くの体力を消耗します。すると、病原微生物に対抗するだけの免疫力を維持できなくなり、重症化することもあります。

食べられるようになったら、消化が良く栄養価が高いものを食べる

 例えば、強い咳が続いている間や、高熱が出ている間は、無理して起き上が必要はありませんし、無理して食事をすることで嘔吐の原因になることもあります。ある程度起き上がれるようになったら、最初はおかゆや柔らかく煮たうどんなどを、少しずつ食べるようにしましょう。

 糖尿病などの慢性疾患が無い場合は、脂肪分よりも、タンパク質や糖質などを取るようにすると、体力が回復しやすくなります。また、高熱が続くと、熱が下がる時には多くの汗をかきます。この時、塩分も一緒に失われていますので、少しずつ塩分も補給するようにします。

 ただし、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの慢性疾患がある場合は、それぞれの疾患に合った食べ物を、少しずつ量を増やしながら、食べるようにします。

水分はいつもより多く取る

 肺炎になると、肺や気管支からの分泌物である痰が増えます。高熱が続いた後に体温が下がる時も、多量の汗となって多くの水分が失われます。可能であれば、高熱が続いている間も、水分だけは取るようにしてください。

 特に高齢者の場合、「喉が渇いた」という感覚を、感じにくくなっていることがあり、容易に脱水となってしまいます。高齢者が脱水になると、入院して点滴注射をする必要が出てきますので、水分は普段の生活よりも、意識的に多く取るようにしましょう。

お薬は医師の指示通りにきちんと服用する

 肺炎であると診断されると、いくつかのお薬が処方されます。対象療法として、熱を下げたり(解熱)痛みを取るようなお薬(鎮痛薬)もありますが、肺炎の原因となった病原微生物に効果を発揮するお薬もあります。

 肺炎の治療で使われるお薬の中には、決められた回数分を服用することで、強い効果が期待できるものがあります。例えば、抗生物質や抗ウイルス薬などです。これらのお薬は、決められた日数分を服用することで、細菌やウイルスをしっかり退治できるものがあり、途中でやめてしまうと、充分な効果が期待できません。それだけではなく、一度内服したお薬に対して、病原微生物の方で抵抗が出来てしまうため、次に同じ薬を内服しても、効果が無くなることがあります。お薬を内服し始めて症状が落ち着いたように感じても、医師から処方されたお薬は、決められた用法を守って、きちんと服用しましょう。

 また、肺炎治療のお薬は、飲み始めて数日してから内容が変わることがあります。これは、治療を開始した後で、肺炎の原因となった病原微生物が確定したためですので、お薬が変わったら、新しいお薬を医師の指示通りにきちんと服用するようにしましょう。

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