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日和見感染症

公開日:2016年7月22日 10時00分
更新日:2019年2月 1日 19時42分

日和見感染症とは

 近年医療の発達により、感染症は病原性の強い微生物による古典的な伝染病から、宿主側の要因に左右される難治性感染症へと大きく変貌してきています。

 日和見感染症とは、宿主の感染に対する防御能が何らかの原因によって低下した時に、通常ではほとんど病気をおこさないような病原体(弱毒微生物、被病原微生物、平素無害菌などと呼ばれる)によって引き起こされる感染症のことをいい、こうした感染症の変貌の中心にあるといえます。

日和見感染症を引き起こす要因

 日和見感染症を引き起こす要因として、広範な火傷や外傷、中心静脈カテーテル等の器具の使用等の局所的障害、癌・白血病・悪性リンパ腫など悪性腫瘍、膠原病、AIDSなどの疾患、抗腫瘍剤、副腎皮質ステロイドやその他の免疫抑制剤の使用、抗菌剤の長期連用、臓器移植や放射線治療等の医療行為が挙げられます。

 日和見感染症は、免疫能が正常である患者に生じる感染症とは異なり、難治性で、しばしば重症化して致死的である場合もあり注意を要する病気です。

日和見感染の代表的な病原体

 日和見感染症を引き起こす病原体としては、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)等の薬剤耐性菌、緑膿菌、セラチア、クレブシエラ、エンテロバクター等のグラム陰性桿菌、結核菌等の細菌、カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカス、ニューモチスティス等の真菌、トキソプラズマ等の原虫、ヘルペスやサイトメガロ等のウイルスがあります。

 これらの病原体は、通常は私達の体に常在していて正常な免疫状態では感染症を引き起こさないものであったり(細菌やカンジダ等)、環境中には多数存在しいつも暴露されているが、健常人ではその免疫能で発病に至らないものであったり(アスペルギルス等)、過去に不顕性感染し潜在化したが、宿主の免疫能が低下したため活性化され発病するのです(結核菌、ヘルペスやサイトメガロウィルス[CMV]等)。

 このうち、細菌や真菌の感染症は癌化学療法や血液幹細胞移植などによる好中球減少時に起こることが多く、ニューモチスティス肺炎やCMV感染症等は、移植患者や免疫抑制剤の使用による免疫低下状態になると発生しやすくなります。

 AIDS患者では、様々な日和見感染症を起こしますが、結核症、CMV感染症、ニューモチスティス肺炎等が重要です。

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