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虚血性心疾患の症状

公開日:2016年7月25日 15時00分
更新日:2019年6月20日 17時36分

虚血性心疾患の症状とは  

 虚血性心疾患は、「労作性狭心症」「異型狭心症」「不安定狭心症」「急性心筋梗塞」の4つの疾患の総称となっています。それぞれの疾患の特徴によって、出現する症状も変わります。

 そこで、それぞれの疾患ごとの症状について、見ていきましょう。

労作時狭心症

 労作時狭心症は、動脈硬化などによって冠動脈の一部が狭窄していることで起こります。安静にしていれば症状の出現はありません。

 しかし、仕事などで動き、心臓の筋肉がたくさん動くことで酸素の消費量が多くなるにも関わらず、冠動脈の一部が狭窄しているために十分な酸素を供給できず、心臓の一部の筋肉に血液が足りなくなることで、症状が出現します。

 主な症状としては、

  • 狭心痛(締め付けられるような痛みや、圧迫感がある)
  • 心窩部(しんかぶ)の痛み
  • 顎や歯の痛み
  • 左肩から左腕にかけての痛み

 このとき注意したいのが「顎や歯の痛み」や「左肩から左腕にかけての痛み」です。これは「放散痛」と呼ばれるもので、本来は心臓部分に感じるはずの痛みが顎や歯、左肩などに痛みを感じるというものです。痛みの箇所が違うため、狭心症だと気づかれにくいという特徴があります。整形外科を受診しても痛みが改善せず、内科の診察にて労作時狭心症だとわかった、というケースも少なくありません。

 よって、「突然現れてすぐに消えてしまう痛みがある」という場合には、狭心症も疑ってみたほうがよいでしょう。

異型狭心症

 異型狭心症は、冠動脈が一過性に完全、またはほぼ完全に閉塞し、心臓の筋肉が一時的な虚血状態になることで起こります。

 主に夜間から早朝にかけて、安静にしているときに数分から15分程度、共通が起こります。特徴としては、労作時狭心症に比べて症状の持続時間が長いという点、そして労作時ではなく、夜間から早朝という一日の中で一番安静にしている割合が高い時間帯に起こりやすい、という点があげられます。

不安定狭心症

 不安定狭心症は、冠動脈内で動脈硬化が進行し、血の塊ができやすくなることで起こります。

 不安定狭心症の場合は表にしめす症状に合わせて、三つのリスクに分類されています。

   
表:不安定狭心症のリスク分類
高リスク中等度リスク低リスク
胸痛
  • 安静時
  • 48時間以内に増悪
  • 安静時、夜間の胸痛
  • 2週間以内に著しい日常生活の制限あるいはあらゆる動作で症状が出現し、安静時にもみられる
  • 労作性
  • 2週間以上前から始まり、徐々に増悪
持続時間 20分以上の胸痛現在も持続 20分以上または以内の胸痛の既往があるが、現在は消失 20分以内
随伴症状 冷や汗、吐き気、呼吸困難感 なし なし

 不安定狭心症の特徴として、冠動脈内で作られた血の塊がどこで詰まってしまうかわからないため、同じ不安定狭心症でも症状の違いがみられる、という点があげられます。

 また、同じ不安定狭心症でも症状によってリスクに違いがあり、高リスクであればあるほど急性心筋梗塞などさらに重篤な症状へと悪化する恐れがあるため、注意が必要です。

 また、労作時狭心症同様、顎や左肩、左腕などに痛みを感じる「放散痛」が起こることもあるので、身に覚えのない痛みがある場合も、注意が必要となります。

急性心筋梗塞

 急性心筋梗塞は、冠動脈の血流が急速に減少することで、心臓の筋肉が壊死してしまうことで起こります。4つある虚血性心疾患の中でも重症であり、生命の危険があります。安静にしていても20分以上持続する激しい胸痛があり、冷や汗や嘔気(おうき)が起こります。また、痛みが胸ではなく、心窩部や背中に感じる「放散痛」が起こることもあります。

 一方で、高齢者や糖尿病の方では、心筋梗塞を起こしていても胸痛を全く感じない「無症候性心筋虚血」を起こす場合もあるので、注意が必要です。

 急性心筋梗塞では、梗塞の程度とは関係なく、重症な不整脈を生じることで、心臓の筋肉そのものは壊死していなくても突然死に至ることも多くなっています。これを「虚血性心臓突然死」といいます。

 心臓の筋肉が虚血状態になると、心臓そのものの運動性はすぐに低下します。そのため、全身にうまく血液を送れなくなり、重篤な状態となってしまいます。治療のカギとしては、いかに早く医療機関へ移送し、治療を開始できるかにかかっています。

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