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嗅覚障害

公開日:2017年7月 5日 13時31分
更新日:2019年2月 1日 19時02分

嗅覚障害とは

 嗅覚障害とは、ニオイを正常に感じることができない状態を言い、発生原因として最も多いのは鼻副鼻腔疾患とされています。

 左右の鼻腔の天井にあたる部分に嗅粘膜と呼ばれる部位があります。空気中のニオイ物質がこの嗅粘膜に付着すると、刺激信号が嗅神経を通じて脳に伝達され、ニオイとして感じます(図)。

 嗅覚障害は、ニオイの伝達経路のどこが障害されるかによって、1.呼吸性、2.末梢性、3.中枢性の3つに大別されます。

図:ニオイの伝達を表すイメージ図。ニオイ物質が鼻孔から鼻腔に入り、嗅粘膜に付着するとニオイを感じることを示す
図:ニオイの伝達

呼吸性嗅覚障害

 呼吸性嗅覚障害は、鼻に関する病気によってニオイ物質を含んだ空気が嗅粘膜に届かないためニオイが感じられないものです。副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎が原因として挙げられます。

末梢性嗅覚障害

 末梢性嗅覚障害には、嗅粘膜が障害される「嗅粘膜性」と嗅神経が障害される「末梢神経性」があります。風邪をひいた後に風邪症状がおさまった後も嗅覚が戻らない場合は、インフルエンザなどのウイルスによって嗅粘膜が変性する嗅粘膜性嗅覚障害が疑われます。副鼻腔炎などの慢性炎症でも、嗅粘膜は変性することがあります。

 また、頭部外傷などで脳内に異常がないのに嗅覚が失われる場合には、嗅神経の切断に由来する末梢神経性嗅覚障害が考えられます。

中枢性嗅覚障害

 中枢性嗅覚障害は、嗅神経よりも中枢側で障害が生ずるタイプです。ニオイ情報が脳まで伝達されると、過去に入力されたニオイの記憶と照合して「何のニオイであるか」を認識する情報処理を行います。また同時にニオイ情報は、記憶し整理されます。

 ニオイ情報を処理する脳が障害を受けると、ニオイを判別することができなくなります。中枢性嗅覚障害は、頭部外傷や脳腫瘍、脳梗塞、パーキンソン病、アルツハイマー病などの病気で起こります。

高齢者の嗅覚障害

 嗅覚機能検査で測定すると、高齢者で嗅覚が低下していることが報告されています。ただし他の感覚障害、たとえば聴覚、視覚と比べると、嗅覚機能は比較的老化による変化を受けにくいと言われています。

 嗅覚障害全般でみると、アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎といった鼻疾患の存在が原因となっている場合が最も多く、年齢に伴う嗅覚障害は日常生活で自覚するほどにならない場合が多いとされています。

 ただし、アルツハイマー病やパーキンソン病と嗅覚障害との関連について、多くの研究が行われており、嗅覚の低下が早期診断に役立つ可能性が指摘されています。

 アルツハイマー病の初期では、何かニオイはするが何のニオイであるか判別できないという、ニオイの判別能(認知閾値)が低下してくると言われています。

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