健康長寿ネット

健康長寿ネットは高齢期を前向きに生活するための情報を提供し、健康長寿社会の発展を目的に作られた公益財団法人長寿科学振興財団が運営しているウェブサイトです。

耳鳴

公開日:2017年7月 5日 12時53分
更新日:2019年6月13日 11時51分

耳鳴とは?

 耳鳴とは、実際にはしていない音が聞こえる状態で、ジー、キーン、シャーといったやや高めの音からボーと低めの音まで様々です。

耳鳴りの種類

幻聴 

 実際にはしていない意味のある音(話し声や鳥の鳴き声、音楽など)が聞こえるのは「幻聴」といい、耳鳴とは少し異なった病態となります。

他覚的(客観的)耳鳴

 耳鳴と思っても、実際に耳の中で音がしている場合もあります。その場合は他覚的(客観的)耳鳴といい、オトスコープという道具で音を確認できる場合もあります。他覚的耳鳴の原因としては、顎関節や耳の周囲の筋肉の動く音、耳周囲の動静脈の音、自分の息の音などがあります。特に脈打つような耳鳴の場合は、動脈瘤などがみつかることもあるので、精査が必要です。

自覚的(主観的)耳鳴

 他覚的には確認できない耳鳴を自覚的(主観的)耳鳴といい、耳鳴の大多数を占めます。耳鳴の大部分は難聴と関連して起きることが多いです。

耳鳴が起こるとどうなるの?

 最も頻度が高いのは加齢性難聴や騒音性難聴に伴う耳鳴で、セミの鳴いているような音、と表現する方が多いです。この耳鳴は60代、70代が発症のピークであり、難聴は加齢とともに増えていくにも関わらず、80代、90代では逆に発症は減少するといわれています。このような耳鳴が常にしている人は60代では10人に1人ぐらいですが、時々耳鳴がするという人まで含めると60代の10人に4人は耳鳴を経験しています。

 耳鳴が始終鳴り出すと止めることは非常に困難ですが、稀に止まる人もいます。海辺で暮らす人々が波の音が始終聞こえるからといって不眠になったり欝になったりすることがないように、耳鳴が止まらなくてもたいがいの人は慣れていき、耳鳴を気にしないで生活することができます。しかし、耳鳴のしている人の1%は不眠や抑うつなどの精神的不良を伴うことがあるので注意が必要です。

どうして耳鳴は起こるの?

 耳鳴はどうして鳴り始めるのでしょうか?まだわかっていないことも多いですが、近年注目されているのは、耳からの音の入力低下があると、正常では雑音を抑制している脳の抑制作用がはずれて耳鳴を感じるようになるのではないか、という説です。

 特に耳鳴が苦になる人では鳴り出した耳鳴を警告音と捉え、不安を感じる他の脳の部位と連動してしまう可能性が考えられています。この説をもとに、耳鳴の治療として音響療法というものが提唱されています。耳鳴のせいで音が聞こえないように感じてみえる方もいますが、実は音が聞こえないから耳鳴が起こるのであって、実際の音を聞くことで耳鳴を抑えることができるという考えに基づきます。事実、全く聴力に異常がない人でも、無音の状態ではほとんどの人が耳鳴を感じますし、耳鳴が苦になるのは静かな状態にいる時のことが多いです。ですから静寂を避けて、少量のボリュームで音楽などを流すのが効果的です。耳鳴に似た音、例えば虫の音や風の音、川のせせらぎなどの環境音楽が特に効果的といわれています。

 補聴器のような機械を耳につけ、常に耳鳴と似た音を流して慣らしていく方法もあります。脳が耳鳴を警告音ではなく雑音として処理できるようになると、耳鳴が消えなくても耳鳴による苦痛は相当減ります。不眠のある方では耳鳴が重症化しやすいので、睡眠のコントロールも重要です。

このページについてご意見をお聞かせください