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前立腺肥大症のケア

公開日:2016年7月25日 10時00分
更新日:2019年2月 1日 21時27分

前立腺肥大症のケアのポイント

 前立腺肥大症は、病気の重症度によって変わってきます。例えば、まだ自覚症状が無く、経過観察で様子を見ている時期と、頻尿や尿漏れなどの症状により日常生活に支障をきたすようになった時期と、尿閉など手術や根治的な治療が必要となる時期とでは、日常生活上で気を付ける点などが変わってきます。

経過観察のみで良い時期

 この時期は、少しずつ自覚症状が出できますので、前立腺肥大症の主な症状を把握しておくことが必要です。

排尿症状:おしっこを出す時の症状

 おしっこが出にくい、トイレが間に合わない、おしっこの勢いが弱い、おしっこが出るまでに時間がかかるなど。

蓄尿症状:おしっこを溜めておく時の症状

 頻繁にトイレに行きたくなる、尿がしたくなると我慢できなくなる、尿漏、夜に何回もトイレに行くなど。

排尿後症状:おしっこが出た後の症状

 排尿してもすっきりしない(残尿感)、排尿が終わったと思っても、少し動くと尿漏れするなど。

 人によって症状の現れ方には違いがありますので、全ての症状が当てはまるわけではありません。しかし、日常生活の上で少しでも「あれ?」と思うことがあったら、ノートに記録しておき、次回の受診の時にかかりつけ医に相談しましょう。図のような排尿日誌に記録をつけると自分の症状を伝えやすくなります。

図:排尿日誌の記入例。朝起きてから夜寝入るまでの昼間と寝床に入ってから朝起きるまでの夜間に、排尿した時間、尿意(なし・弱・中・強)、失禁、排尿量を記録する。記録することで自覚症状の変化が分かりやすくなる。

図:排尿日誌の記入例

排尿日誌(PDF:76.6KB)(新しいウインドウが開きます)

 排尿の記録には、排尿時間や排尿量、水分の摂取量のほか、尿漏れ(失禁)の有無や排尿に対する切迫感(尿意の強さ)なども記録しておくと、自覚症状の変化が分かりやすくなりますし、医師にも伝えやすくなります。

内服などの治療が必要な時期

 自覚症状が出始めて、日常生活に支障を来すようになったら、内服治療を行います。排尿の記録も引き続き記録しておくと、自覚症状の変化が分かりやすくなります。

前立腺肥大症の合併症に気を付ける

 また、この時期には前立腺肥大症の合併症にも気を付ける必要があります。主な合併症は以下の通りです。

肉眼的血尿(見ただけでも分かる血尿)

 前立腺が肥大して、尿道粘膜が充血すると、粘膜から出血して血尿が確認できるようになります。

尿路感染

 膀胱内に尿が残る(残尿)時間が長くなると、尿路感染を起こす可能性があります。

尿閉

 膀胱内に尿が溜まっていても、尿が出せずに苦しくなる状態です。前立腺肥大症が重度になるほど(前立腺が大きくなるほど)起こりやすく、アルコールや風邪薬の服用により尿閉を引き起こすこともあります。

膀胱結石

 膀胱内に残尿がある状態が長くなると、結石ができることがあります。

腎機能障害

 残尿量が多くなったり、排尿障害により膀胱壁が高度に肥厚(厚くなる)すると、腎臓から膀胱へ尿が流れなくなり、腎臓が腫れる状態(水腎症)になります。重症化すると、腎不全になる可能性もあります。

溢流性尿失禁(いつりゅうせい)

 これは、常に多量の残尿がある場合、膀胱内の尿が尿道からあふれ出る状態で、常にちょろちょろと、尿が漏れている状態です。

 前立腺肥大症は薬物治療だけでは根治が難しく、重症化すると手術が必要となりますが、これらの合併症の症状が強くなると、手術を勧められます。

手術や根治的な治療が必要な時期

 前立腺肥大症の手術は、1週間程度の入院となることが一般的ですが、症状の強さや前立腺の大きさ、合併症やもともと持っている慢性疾患の状態によっては、もう少し長くなることもあります。

どの時期でも必要なケア

 排尿の悩みは、他の人に相談しにくいことではありますが、前立腺肥大症は、高齢になるほど発症する可能性が高くなる病気です。50歳を過ぎれば、誰でも前立腺が肥大していてもおかしくはありません。命にかかわることは稀な病気ですので、普段から規則正しい生活を心がけ、バランスの良い食事やストレスを溜めない生活を送るようにしましょう。

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