遺伝子発現変動から探る脳老化制御のホットスポット
公開日:2025年7月18日 10時00分
更新日:2025年7月18日 10時00分
こちらの記事は下記より転載しました。
米国北西部のシアトルに脳科学研究を主導するアレン研究所がある。MITの利根川研究室から移籍した中国系アメリカ人ホンクイ・ツエン率いるラボで老若マウス(2か月齢と18か月齢)の脳を16領域に細分して120万個以上の脳細胞での遺伝子発現の変化を細胞ごとに精査分析した。その結果、視床下部の第三脳室周辺領域に顕著な違いを発見した。そこは食物摂取やエネルギー恒常性など、栄養代謝制御の中核となる部位だった。ニューロン以外にもグリアや周辺部の上衣細胞での変化が大きい。今後、より高齢での変動やヒトでの変化に興味がわく。生命維持の根源ともいえる脳領域での加齢変動の意義が今後注目されるだろう。
文献
Jin K, et al., Nature. 2025; 638(8049): 182-196
筆者
- 森 望(もり のぞむ)
- 福岡国際医療福祉大学特任教授
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