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皮膚がん末期

皮膚がん末期の症状

 皮膚がんは体の表面の皮膚にできるがんです。そのため、早期発見の可能性も高いがんなのですが、皮膚の異常を自己判断で放置してしまうことによって、気が付かないうちにがんが末期にまで進行していることもあります。

 皮膚がんの代表的なものとしては、基底細胞がん、有棘細胞がん、悪性黒色腫(メラノーマ)の3つがあり、出現する症状はそれぞれのがんの形によって異なります。

 基底細胞がんは3つの中でも比較的悪性度が低いがんです。顔面に発生しやすく、進行するにつれてがんに侵された部分が隆起して出血を起こしたり、潰瘍を形成したりします。末期のがんが深く浸潤した場合、筋肉や骨を侵し、頭がい骨を破壊してしまうこともあります。

 有棘細胞がんは日光の当たりやすい個所に発生しやすく、症状が進むと皮膚の盛り上がりや潰瘍、出血などを起こしたりします。また、末期の状態になり、全身の抵抗力が低下すると、がんに侵された部位に細菌が感染して悪臭を放つケースもあります。がん末期の状態では、筋肉や骨、リンパ節への転移も起こします。

 皮膚がんの中で最も悪性度の高い悪性黒色腫(メラノーマ)は、一見、いびつな形のほくろのようにも見えますが、がんの非常に進行が早く、早期の段階で他の臓器への転移を起こします。がんの進行に伴い、メラノーマの中央部分が潰瘍になったり、盛り上がったり、サイズが大きくなったりといった変化が表れてきます。

 いずれの皮膚がんの場合でも、他臓器への転移を起こし、がんが末期の状態にまで進行すると、転移先の臓器でそれぞれ特有な症状を呈するようになります。例えば、骨へと転移した場合、転移した骨の部位に強い痛みを感じたり、骨折しやすくなったりします。

皮膚がん末期における診断

 皮膚がんの状態を確認するためには、がんの様子を直接目でチェックする視診が重要です。通常の視診に加え、ダーモスコープという拡大鏡を用いることで、皮膚がんの様子をより詳細に調べることができます。

 皮膚がんの他臓器への転移の有無や、転移したがんの進行程度を調べるためには、X線検査や超音波検査、CTやMRIなどの画像診断が有用です。

皮膚がん末期の治療

 皮膚がんの治療は、まずは外科的にがんを切除することが基本となります。皮膚がんの種類やがんの進行の程度に応じて、がんや周辺組織を手術で取り除きます。切除範囲が広範囲に及ぶ場合、体の別の部位から皮膚を移植する植皮術を行うこともあります。

 皮膚がんが末期の状態にまで進行している場合、手術によって全身のがんを取り除くことはできません。その場合は、辛い症状の緩和や、がんの進行を遅らせる目的で、抗がん剤などによる全身化学療法や放射線治療を行うこともあります。

 転移した皮膚がんによって引き起こされる末期症状に対しては、それぞれの病状に応じて対処的な治療を行い、症状の緩和を図る治療を行います。

皮膚がん末期の予後・ケア

 皮膚がんの予後は、皮膚がんの種類によっても大きく異なります。

 最も悪性度の高い悪性黒色腫(メラノーマ)では、末期の状態に近いステージⅣまで進行した場合の5年生存率はわずか10%程度であり、予後は厳しいと言わざるを得ません。

 どの皮膚がんにかかった場合でも、全身の臓器に転移して末期の状態にまで進行してしまった場合は、積極的な治療ができないほど全身状態が悪化していることがほとんどです。そのため、皮膚がんの末期には、「緩和ケア」によって少しでも苦痛を取り除き、穏やかな療養生活を送るということが治療の主目的となります。

 緩和ケアでは、がん末期に特有の疼痛や、転移したがんによって生じる辛い症状を和らげるとともに、ご本人やご家族の療養生活における不安に対する支援を受けることができます。緩和ケアによって、がん末期の身体的・精神的苦痛を取り除くことは、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を維持・向上させることにつながり、療養生活の中にあっても自分らしい人生を送るための手助けとなることでしょう。

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