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胃がん末期

胃がん末期の症状

 胃がんが進行して末期の状態になると、胃から栄養の吸収をすることや、胃で食べものの消化をすることが困難になってしまいます。また、食べ物が胃を通りにくくなってしまうことで吐き気をもよおしたり、食欲不振に陥ったりすることもあります。そのため、胃がんの末期では体重の著しい低下がみられるようになります。

 胃がん末期には、体の組織の水分調節機能もうまく働かなくなってしまうため、腹水も溜まりやすくなります。腹水が溜まると腹部の膨満感や足のむくみ、排尿障害などが起こることがあります。

 胃がんも末期の状態になると、がんに侵された組織から出血が生じるため、吐血や下血などの症状がみられるようになります。たとえ少量であっても、出血が持続的に続くことで貧血が起こり、めまいなどの症状が表れることもあります。

 末期の胃がんは、肺や肝臓、骨、脳などの様々な臓器に転移して、それぞれの臓器に特有の症状を引き起こします。例えば、最も胃がんの転移が起こりやすい肝臓では、腹部や背部などの激しい痛みや強い倦怠感、黄疸などが生じます。

胃がん末期における診断

 胃がんの診断はX線造影による診断や胃内視鏡検査によって行われることが一般的です。胃内視鏡検査では、がんの組織を直接採取することができるため、がんの確定診断を行うことも可能です。胃がんの進行の程度や他の臓器への広がり、リンパ節への転移の有無を確認するためには、超音波内視鏡検査や腹部超音波検査、CTなどが用いられます。

 血液検査は、持続的な出血による貧血や、栄養障害による低蛋白血症、肝臓の転移による肝機能障害の程度など、全身状態の確認のために行われます。

胃がん末期の治療

 胃がんの治療はがんの切除が基本となりますが、末期がんの状態になり、既に他臓器への転移がある場合は切除による完治は困難です。

 胃がんの治療には放射線治療や化学療法なども用いられていますが、胃がんの細胞は、放射線治療や化学療法の効果が表れにくいため、がんの進行の抑制や、症状の緩和といった補助的な治療手段として行われることがほとんどです。

 胃がんが末期の状態にまで進行した場合は、胃がんそのものの治療よりも、がんによってもたらされる辛い症状を改善するための治療が優先して行われます。例えば、がんによって胃の出口がふさがれてしまった場合、胃と小腸をつなぐバイパスを形成し、食べたものが胃を通過できるような対応を行います。

 転移した胃がんは、転移先の臓器でも様々な症状を引き起こします。この場合、それぞれの病状に応じて個別に対処していくことになります。

予後・ケア

 胃がんの末期の予後については、がんの転移が見られるステージⅣの5年生存率が10%を切っていることからも、大変厳しいと言わざるをえません。

 胃がん末期とは、他の臓器に転移したがんがそれぞれ進行し、回復が見込めないような状態です。この時期は、体中に転移したがんが様々な組織を破壊することによって、「がん性疼痛」と呼ばれる強い痛みを感じるケースがほとんどです。そのため、がんの末期には、疼痛のコントロールをはじめとした、がんによる肉体的・精神的苦痛を取り除く緩和ケアが積極的に行われています。

 がん末期における緩和ケアでは、がんと闘うご本人やご家族のQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を改善するために、専門家チームが協力してサポートに当たります。納得のいく治療を受け、残された人生を自分らしく有意義なものにするためにも、緩和ケアは必要不可欠なものであると言えるでしょう。

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