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甲状腺がん末期

甲状腺がん末期の症状

 甲状腺がんは大きく分けて、分化がんと未分化がんの2種類があります。

 分化がんの症状としては首に固いしこりができるのが特徴です。通常、しこり以外には自覚できる症状がないことがほとんどですが、がんが進行していくと、ものを飲み込む際に痛みが生じたり、声がかれたり、呼吸困難が生じたり、血の混じった痰が出たりといった症状が見られるようになります。

 未分化がんは分化がんより進行が早く、悪性度が高いがんです。未分化がんでは、甲状腺の腫脹や痛み、発熱などの症状が出現しますが、がんが進行するにつれて、分化がんと同様に飲み込みづらさや呼吸困難、血痰などが見られるようになります。未分化がんは末期の状態になると気管や食道、反回神経への浸潤、リンパ節、骨、肺などの臓器への転移を起こします。転移を起こしたがんは、それぞれの臓器で重篤な末期症状を引き起すこともあります。甲状腺がんの末期には、体重の減少や倦怠感など、全身症状が出現してくるのも特徴であると言えます。

甲状腺がん末期における診断

 甲状腺がんの診断には画像診断が有用とされています。がんの大きさや周囲の組織への広がり、リンパ節への転移などを確認するためには、超音波検査が活用されます。超音波検査よりもさらに詳細な診断を行いたい場合は、造影剤を用いたCTやMRI検査が行われます。

 血液検査における血中の腫瘍マーカー(カルシトニン、CEA)は、甲状腺がんが「髄様がん」であると診断されたときのみ参考になります。甲状腺がんに特有のものではありませんが、血中のサイログロブリンが甲状腺がんの再発を示すマーカーとして参考にされることもあります。

 甲状腺がん末期に転移を起こしやすい骨に対しては、骨シンチで転移の有無や広がりを調べることができます。

甲状腺ガン末期の治療

 甲状腺がんの主な治療は外科的ながんの切除、化学療法、放射線治療となります。

 分化がんの場合は基本的には手術による切除を行います。甲状腺がんはもともと他のがんに比べて予後が良好であるため、末期の状態であってもがんの切除が可能なケースもあります。しかし、転移が全身に広がっているような場合は、化学療法や放射線治療を中心に行うこともあるようです。甲状腺を切除した場合、甲状腺が分泌する甲状腺ホルモンの生産が不十分になりますので、切除範囲によっては生涯にわたりホルモンを継続して補充しなくてはなりません。

 未分化がんの場合は、化学療法や放射線治療の効果が表れにくく、がんの進行も早いため、対処的な治療を中心に行うことがほとんどです。

 いずれの場合も、がんが他臓器にまで転移した場合は、様々な症状が引き起こされるようになります。そのため、それぞれの症状に合わせた対処的な治療を行われます。

甲状腺がん末期における予後・ケア

 甲状腺がんは他のがんと比べると予後は良好な部類に入ります。特に分化がんの場合は進行が遅いケースが多く、場合によっては治療をせずにそのまま経過を見るだけということもあります。末期の状態に近いステージⅣにまでがんが進行していたとしても、甲状腺がんの5年生存率は80%を超えています。

 しかし、未分化がんの場合は進行が非常に早く悪性度も高いため、診断されてから1年以内に多くの方が亡くなってしまいます。5年生存率も7%程度であり、予後は厳しいと言わざるを得ません。

 比較的予後の良い甲状腺がんですが、がん末期にはやはり疼痛や呼吸困難などの様々な症状が出現します。気分が落ち込んだり、不安になったりすることもあるかもしれません。そんな時に積極的に活用したいのが「緩和ケア」です。緩和ケアでは、がん末期の辛い痛みや様々な症状を軽減させるだけでなく、ご本人やご家族の精神的な苦痛に対しても個別に対応することができます。緩和ケアによって本来の自分らしさを取り戻し、療養生活の質を維持・向上させることは、がん末期のケアとしては非常に重要であると言えるでしょう。

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