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高齢者糖尿病の診断

公開日:2016年7月25日 17時00分
更新日:2019年8月 6日 09時33分

糖尿病の診断基準

「糖尿病型」の4つ

 高齢者が糖尿病と診断される基準は、成人期の方と変わりありません。糖尿病と診断されるには「血糖値」「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」の二つの数値が必要となります。

 血糖値は、さらに細かく以下の3つに分類されます。

  • 空腹時血糖(食事から10時間以上あけての測定値)が126mg/dl以上
  • OGTT2時間値(10時間以上の絶食の跡、75gのブドウ糖を飲み、2時間後に測定した値)が200mg/dl以上
  • 随時血糖値(食事とは関係なく測定した血糖値)が200mg/dl以上

 この3つの血糖値の他に、「HbA1cの値が6.5%以上である」と、「糖尿病型」とされます。

※ HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー):
HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)とは、血管内の余分なブドウ糖と赤血球の蛋白であるヘモグロビンとが結合した、糖尿病と密接なグリコヘモグロビンのことをいいます。

糖尿病の診断基準

 糖尿病と診断されるには、上記4つの値のうち、以下の条件がそろうことで診断されます。

  1. 血糖値とHbA1cともに糖尿病型
  2. 血糖値のみ糖尿病型でHbA1cは糖尿病型ではないが、糖尿病の典型的な症状が出ている、もしくは確実な糖尿病網膜症を発症している
  3. 血糖値のみ糖尿病型で、1か月後の再検査の結果、血糖値、HbA1cともに糖尿病型
  4. 血糖値のみ糖尿病型で、1か月後の再検査の結果、血糖値のみ糖尿病型
  5. 血糖値のみ糖尿病型で、1か月後の再検査の結果、HbA1cのみ糖尿病型
  6. HbA1cのみ糖尿病型で、1か月後の再検査の結果、血糖値とHbA1cともに糖尿病型
  7. HbA1cのみ糖尿病型で、1か月後の再検査の結果、血糖値のみ糖尿病型

以上7つの条件に当てはまる場合に、糖尿病と診断されます。

 なお、4つの値のうち一つ以上当てはまっているにも関わらず、条件のいずれにも当てはまらなかった場合には、「糖尿病疑い」として、3~6か月以内の再検査が勧められます。

高齢者の糖尿病診断の特徴

 糖尿病の診断には成人期と同じ基準が使われていますが、高齢者の特徴として「空腹時血糖は低値であるにも関わらず、OGTT後2時間血糖値の値や随時血糖値が高値であるため、糖尿病と診断されることが多い」ことがあげられます。

 これは、加齢に伴って血糖値を下げる機能が低下してしまうことに由来していることが一因だと考えられています。

 したがって、本来ならば糖尿病であるにもかかわらず、朝食を抜いた状態で行う健康診断では、空腹時血糖値のために血糖値は正常値となるために、糖尿病であることに気づかれないというリスクがあります。

糖尿病発症のリスクが高い高齢者とは

 糖尿病には大きくわけて2種類の糖尿病があります。それは、「1型糖尿病」と「2型糖尿病」です。

 1型糖尿病とはインスリンが自分で分泌することができなくなることで発症し、インスリン注射をしないと重篤な状態となってしまう糖尿病をさします。

 一方、2型糖尿病はインスリンの分泌はできているものの、効きが弱くなる、あるいは分泌量が低下することで発症するもので、生活習慣が発症のリスクの一つとされています。

 1型糖尿病は遺伝性ではないとされているのですが、2型糖尿病は遺伝しやすいとされています。

 そのため、今はまだ糖尿病と診断されていなくても、血縁の中に糖尿病の方がいる場合には、糖尿病のリスクを持っているといえます。

大切なのは「普段の血糖値」を把握しておくこと

 高齢者の中には、加齢によって少しずつインスリンの分泌する力が衰えてしまい、血糖値が高くなってしまいやすくなる方もいます。

 そこでお勧めしたいのが、「普段の血糖値を把握しておくこと」です。朝食を抜いた状態での健康診断の他に、定期的に食後の血糖値を測定しておくことで、糖尿病がないかどうかを早期に発見することが可能となります。

 糖尿病は一度発症すると、様々な病気にかかるリスクが飛躍的に増加することがわかっています。その病気の中には認知症も含まれています。

 糖尿病の発症を防ぐ、または早期に糖尿病に気づくためにも、普段の血糖値を把握しておくことはとても大切なことです。

 また、検診での血液検査にて「HbA1c」を追加することで、過去1か月の血糖値の推移を推測することができます。そのため、特に血縁の中に糖尿病の方がいる場合には、年に1度HbA1cを測定してもらうということも大切です。

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