健康長寿ネット

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太極拳の健康に良い効果とは

公開日:2016年7月25日 17時00分
更新日:2019年8月 5日 16時00分

太極拳とは

 太極拳は、古来より中国に伝承された武術です。「柔よく剛を制す」武術といわれ、小さな力で大きな力に克つために、相手の力の大きさと方向を察知し、柔軟な動きで相手の力を外します。現在では太極拳は健康法として親しまれていますが、本来は自分の力を最も合理的に使う高度な技法として使われていました。

 太極拳の源流である「陳式太極拳」には纒絲勁(てんしけい:ねじる手法)や発勁(はっけい:体内で蓄えたエネルギーを一気に爆発させること)が含まれるほか、素早い動作や難度の高い跳躍技など武術としての要素が多く含まれています。

 現在行われている健康のための太極拳が、「柔らかくゆったりとした運動」になっているのは、「陳式太極拳」を学んだ武術家 楊露禅(ようろぜん)がこの技法を練習する際、ゆっくりとした動作で練習できるように改良したことによります。そして楊露禅の子孫の楊澄甫(ようちょうほ)が普及に努めたことから、現在の太極拳のイメージができあがったのです。

 現在行われている太極拳のほとんどが陳式太極拳の系統であり、これを「楊式太極拳」といいます。「陳式太極拳」を改良する際、武術的要素を伏せるために武術としての価値はなくなったとされています。

 結果的にはゆっくりとした動作を行う全身運動という特性が健康とのつながりを深め、多くの人に親しまれるようになりました。一般市民の生涯スポーツや健康づくりのための運動として、中高齢者を中心に幅広い年齢層で実施されています。

太極拳の効用

 太極拳は立位で片足位になることもあるため、主に脚筋力、バランス能力、全身持久力の向上に効果的です。

太極拳の特徴

  • 呼吸に合わせてゆっくりと柔らかく円型に動く
  • 途切れることなく同じ速さで動き続ける
  • 左右の動作が均等で、衝撃が極めて少ない全身運動である
  • いつでも、どこでも、だれでもできる

 これらの太極拳の特徴から、脚筋力の向上、バランス能力の向上、全身持久力の向上のほかにも、リラクゼーション効果が挙げられます。

太極拳の健康への影響

 健康の保持増進には、筋力向上、持久力向上、柔軟性向上、神経・筋協応の向上が大切です。太極拳ではスクワットと同じような基本姿勢が続き、片足でバランスをとることも必要とされるため筋力や神経・筋協応能の向上にとても役に立ちます。さらにねじり動作が入ることにより、柔軟性の向上が期待できます。

 実際に太極拳をしてみると、下肢の筋に十分な刺激を感じることができ、かつ気持ちが落ち着いた状態になることができます。これは他のスポーツでは味わえない特徴といえます。

太極拳の運動強度と消費カロリーは?

 太極拳の運動強度は3.0メッツでそこまで高くはありません1)。普通歩行が3.0メッツなので同程度の消費カロリーと考えられます。

 メッツを使って以下の計算式で消費カロリーを計算することができます。

 消費カロリー(kcal)=1.05×メッツ数×時間×体重(kg)

 体重50kgの人が1時間太極拳を行った場合の消費カロリーは、

 消費カロリー=1.05×3.0メッツ×1時間×50kg=157.5kcalと計算します。運動時間が長くなったり、体重が重い場合にはさらに消費カロリーは高くなります。

太極拳はどこでできるか

 近年太極拳のブームによって、多くの体育施設等で太極拳を行う教室が開催されています。地域の体育館や運動施設に問い合わせてみると良いでしょう。

 また、動きがわかればひとりで自宅でも行うことができます。ひとりで行う際は、転倒など傷害に注意をして行ってみてください。以下に、世界的に普及している簡化二十四式太極拳を紹介します。興味がある方はぜひ挑戦してみてください。

簡化二十四式太極拳

 簡化二十四式太極拳の基本姿勢は上体を自然にまっすぐに保持し、椅子に腰かけるように股関節と膝をやや曲げます。重心を少し下に落とした状態になります。浅いスクワットをイメージしてみてください。基本姿勢を維持したままで、体重を両脚→右脚→両脚→右脚→両脚→左脚へと移動させながら動作を行います(図、動画)。

 簡化二十四式太極拳の一連の動きの中には、片足立ちで反対の足を前上方に伸ばした状態や、姿勢を低くするような動作が含まれており、強度や難易度の高い運動が組み合わさっています。無理せず行ってみてください。

図:簡化二十四式太極拳を示す図。
図:簡化二十四式太極拳

動画:簡化二十四式太極拳 (再生ボタンを押すと動画が始まります)

参考文献

  1. 国立健康・栄養研究所 改訂版「身体活動のメッツ(METs)表」 2012年4月11日改訂

令和5年度「長生きを喜べる長寿社会実現研究支援」の公募情報を公開しました

 公益財団法人長寿科学振興財団は令和5年度の長寿科学研究者支援事業「長生きを喜べる長寿社会実現研究支援」を公募します。本事業は財団ビジョン「長生きを喜べる長寿社会実現~生きがいのある高齢者を増やす~」を達成するため、超高齢社会の課題の解決となる実用的な方法(製品やサービス、仕組みなど)の研究開発から本格的な社会実装を含めた一気通貫の課題解決型のプロジェクトを採択し、支援するものです。

 令和5年度の公募情報を当財団ホームページにて公開をいたしました。

  • 提案受付期間:7月1日(金)~7月29日(金)
  • 助成金額:年間上限3,000万円
  • 助成期間:最長10年間
  • 採択件数:0件から2件程度

令和5年度 長生きを喜べる長寿社会実現研究支援の公募(新しいウインドウが開きます)

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