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ヨガの健康効果とは

公開日:2016年7月24日 00時00分
更新日:2019年2月 1日 17時04分

ヨガとは

スタジオでヨガの英雄のポーズを行っている複数の女性の写真

 ヨガは、今から4500年前にインダス文明から始まったとされています。日本でヨガが最初に広まったのは今から100年ほど前になります。現在では女性を中心として、美しいボディラインをつくることや若々しく健康を保つための美容や健康によいエクササイズとして人気があります。

 本来、ヨガは独自の哲学を持ち、瞑想から始まった心身の鍛錬の手段でもあります。自分自身を見つめるためのツールや生き方として、健康法と一言では語ることのできない奥の深さを秘めています。

 ヨガという言葉は「つなぐ」、「結びつける」という意味を持っています。ヨガとは、心と体を結び付けて自分自身を見つめ、サーマディ(悟り:すべてのことから解放され、形や時を超えた悟りの境地1))に到達するための過程であるとされています。

 ヨガが誕生してから長い歴史の中で、悟りに達するための方法がいろいろと開発され、ヨガにはたくさんの流派が存在しています。その中でもハタヨガと呼ばれるものが世界的に盛んなヨガであり、ポーズ(アーサナ)、呼吸法(プラーナーヤーマ)、瞑想(ディアーナ)で構成されています。

 ハタヨガには、アイアンガーヨガ、アシュタンガヨガ、パワーヨガ、リストラティブヨガ、シヴァナンダヨガ、クリパルヨガ、クンダリーニヨガ、ビニヨガ、沖ヨガなどの多くのスタイルがあります。

ヨガの健康効果

 アメリカで行われた2007年の国民健康調査(NHIS)でのアメリカ人の補完療法使用状況の包括的調査によれば、「ヨガは成人で6番目によく用いられている補完療法※12)であり、健康維持や生活の質の改善、体力の向上、ストレスの緩和のために多くの人がヨガを行っています。

 日本でも平成24年から26年に厚生労働科学研究費補助金地域医療基盤開発推進研究事業の「ストレス関連疾患に対するヨガ利用ガイド」では、「健康な人では、ヨガはストレスによる心身の不調を改善するために有用」3)とされています。また、ストレス性疾患患者に対しても「現代医学的治療の補助療法として効果が期待できる」3)と言われています。

 海外の研究ではヨガによって、腰痛の緩和や生活の質の改善、不安・うつ症状・不眠をやわらげる効果や、体調・体力・柔軟性の向上に有用であるという報告があります。

※1 補完療法:
補完療法とは、ヨガや鍼灸・マッサージ、アロマ、サプリメントなど医療とはみなされていない働きかけで、通常の病院などの医療と合わせて個人の選択で用いられることも多い療法です。

ヨガの呼吸法

 ヨガは呼吸法を非常に大切にしています。「吸う・吐く」を意識して行うことで、息を吸うことで外界からエネルギーを取り入れて身体へと充満させ、深く長く吐いて考えや感情を流していきます。「吸う・吐く」の間には「止める」も存在しており、自然にあるいは意識的に息を止めて、吸って身体に取り入れたエネルギーを活性化します。ポーズを保つときは息を吐いてリラックスし、ポーズを促して瞑想を深めていきます。

 意識的な呼吸によって交感神経の働きと副交感神経の働きが整えられ、ストレスの緩和が図られます。

ヨガのポーズ

図1:ヨガの三角のポーズを示すイラスト

 ヨガのポーズは非常にたくさんあります。ポーズをうまくとることにフォーカスされがちですが、ポーズをとることで自分の身体と向き合うことが本来の目的です。ポーズをとることや動きの中で普段使わない筋肉が伸ばされて血流がよくなり、冷えの解消や代謝の向上、内臓の働きが促されます。深い呼吸とともにポーズを行うヨガは有酸素運動であり、身体の柔軟性が増して、筋力・体力・バランス能力がつき、健康維持・増進が期待できます。

ヨガの瞑想

図2:ヨガの瞑想を示すイラスト

 ヨガでは呼吸法、ポーズを通して自分の身体の内にある感覚に意識を向けていきます。自分を客観視することにより、本来の自分の心と身体の声に気づきやすくなります。心や身体の不調や変化に早目に気づいて対応できるので、セルフケアが行いやすくなります。

医療の現場でのヨガ

 医療の現場では予防医学としてヨガが取り入れられており、マタニティヨガや乳がん経験者のためのヨガ、高齢者のためのシニアヨガなどが行われています。自分の心と身体を見つめ、健康な自分をつくっていくヨガは身体や心のバランスの変化が起こる妊娠時や乳がん後のセルフケアとしてや、高齢者の健康寿命を延ばす取り組みとして用いられています。

ヨガはどこでできるか

 ヨガは全国のヨガスタジオや個人のヨガ教室、フィットネスクラブ、地域のスポーツセンターや公民館などで行われています。デイケアのプログラムとしてヨガを取り入れているところもあります。ヨガにはたくさんの流派があり、ヨガのインストラクターによって学んでいる技術や考え方、実施スタイルも異なります。それぞれ規模や実施時間、レベル、費用なども様々なので、情報収集をしっかりとして、自分に合ったヨガの学び場を見つけることが大切です。

 ヨガの本やDVDなども発売されています。自分の興味が持てるものや無理なく行えそうなものを選んで、自宅で自分のペースで行ってみるのもよいでしょう。

 ヨガ教室などでは体験レッスンを実施しているところも多いので、まずは実際に体験して自分との相性を見極めましょう。一般のヨガ教室などは健康な人を対象としているので、現在何かの疾患を持っていて治療中の方は、ヨガを始める前に主治医にヨガを始めてよいか、注意する点はあるかを確認しましょう。実際にヨガを行う際にもインストラクターへ治療中の病気についての注意点などを事前に相談しておいた方がよいでしょう。

参考文献

  1. ヨガが丸ごとわかる本 Yogini編集部編 枻出版社
  2. ヨガ 「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省 「統合医療」に係る情報発信等推進事業(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  3. ストレス関連疾患に対するヨガ利用ガイド 患者用(第2版) 厚生労働科学研究費補助金地域医療基盤開発推進研究事業 ストレス関連疾患に対する統合医療の有用性と科学的根拠の確立に関する研究 P5 「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省 「統合医療」に係る情報発信等推進事業(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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