健康長寿ネット

健康長寿ネットは高齢期を前向きに生活するための情報を提供し、健康長寿社会の発展を目的に作られた公益財団法人長寿科学振興財団が運営しているウェブサイトです。

サルコペニアの予防

 サルコペニアに陥らないためには適度な運動とバランスのとれた食事、生活習慣の見直し、積極的な社会活動への参加、慢性疾患の管理を行い、心身の健康を維持することが大切です。

運動

 サルコペニアに効果的とされる下肢および体幹部の筋力トレーニングの実施と、日々の運動習慣をつけるようにしましょう。筋力トレーニングの例として以下のようなメニューがあります。

体幹筋のトレーニング

上体起こし

 上体起こしは、仰向けに寝て両膝を立て、頭をあげておへそを覗き込む。頭をあげたまま10秒間数え、ゆっくり元に戻します。頭が上がらない時は頭を持ち上げるように動かしてみましょう。10回行います(図1)。

図1:上体起こし 画像:WorkoutLabs.com

骨盤運動 (ドローイン)

 仰向けに寝て両膝を立てます。お腹に手を当て、息を吐きながらお腹をへこませていきます。お尻を床に押し付けて10秒間数え、力を抜きます。15回行います(図2)。

図2:骨盤運動 画像:WorkoutLabs.com

お尻上げ

 仰向けに寝て両膝を立て、お尻を床から少し浮かして10秒間数えて戻します。腰を反らしすぎないように注意しましょう。15回行います(図3)。

図3:お尻上げ 画像:WorkoutLabs.com

下肢筋のトレーニング

腿上げ

 椅子に座り、右足の太腿の裏を椅子から離すように上に持ち上げ、持ち上げたまま膝を伸ばして5秒間数えましょう。足は持ち上げたまま膝を曲げ、下におろします。10回行い、左足も同じように行いましょう(図4)。

図4:腿上げ 画像:AAOS

足上げ(横向きに寝た姿勢)

 横向きに寝て上にある足を、5秒数えながら膝を伸ばしたまま上にあげます。戻すときも5秒数えながら下ろしましょう。10回繰り返します。反対の足も同じように行いましょう(図5)。

図5:足上げ(横向きに寝た姿勢) 画像:WorkoutLabs.com

足上げ(うつ伏せ)

 うつ伏せに寝て、右足の膝を伸ばしたまま上に動かします。お尻から動かすように意識しましょう。上に足をあげたところで5秒間止まり、足を元に戻しましょう。10回繰り返します。反対の足も同じように行いましょう(図6)。

図6:足上げ(うつ伏せ) 画像:Libby Lamb 2014

運動習慣

 健康増進法に基づいて策定された健康日本21において、高齢者の身体活動や運動の個人目標として「1日10分以上のストレッチングや体操」または「1日20分程度の散歩やウォーキング」または「1週間に2回程度の下肢・体幹の筋力トレーニング」または「1週間に3回程度のレクレーション活動や軽スポーツ」を行うことが例としてあげられています1)。個人の年齢や体力、身体機能に合わせて継続して行えるものを選択し、運動を習慣づけて行うようにしましょう。

食事

バランスのとれた食事

 基本は日本の伝統食である和食で、主食、主菜、副菜の揃った一汁三菜または一汁二菜でメニューを立てると炭水化物(エネルギー)を摂れる主食(米・パン・麺類)、良質なたんぱく質・鉄分を摂れる主菜(肉・魚・大豆製品・卵)、ビタミン・ミネラル・食物繊維などを豊富に含む主菜(野菜・海藻・きのこ)をバランスよく摂ることができます。間食でたんぱく質・カルシウムを摂れる乳製品(牛乳・ヨーグルト・チーズ)やビタミン・食物繊維を摂れる果物をプラスしましょう。

 特に、サルコペニア予防には日常生活活動や運動を行うためのエネルギーと筋肉をつくるためのたんぱく質(高齢者は1日75g以上、腎障害のある場合は医師や管理栄養士への相談が必要)を十分に摂りましょう2)。

運動後の補給

 空腹時の運動は筋肉のたんぱく質合成を促すことができないため、食事後30~60分後に運動を行い、運動の後、一時間以内にアミノ酸を摂取することで筋肉でのタンパク質合成が促されます。運動後に摂るアミノ酸は必須アミノ酸のロイシンが有効であることが報告されています。ロイシンを手軽に補給できる栄養補助食品や鮭のおにぎりと豆乳などを補給すると良いでしょう2)。

生活習慣

 睡眠不足、閉じこもり、運動不足、不規則な食生活、強いストレス、喫煙、過度の飲酒などの生活習慣は、身体活動性の低下や低栄養、生活習慣病などの慢性疾患を引き起こし、サルコペニアの要因をもたらします。

 毎日の生活のリズムを整え、散歩や体操などの運動を習慣づけること、仕事や趣味を持つことや地域活動・ボランティアなどに積極的に参加し、他者とのコミュニケーションや社会とのつながりを持つこと、慢性疾患を管理して悪化を予防することで心身の健康維持を図ることが大切です。

参考文献

  1. 健康日本21(第二次) 厚生労働省(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  2. 健康長寿教室パンフレット フレイル研究部 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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