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サルコペニアに対する運動

公開日:2021年10月29日 10時00分
更新日:2021年11月29日 14時04分

 2017年に発刊されたサルコペニア診療ガイドラインでは、サルコペニアの予防や治療に対して運動を実施することが推奨されています1)。特に、レジスタンス運動(いわゆる筋トレ)が有用と考えられていて、筋肉の力、機能、量などの改善効果が示されています。また、このような運動には日常生活での基本的な動作能力を改善させることや、転倒を予防するような効果も示されています。

図1:サルコペニアの予防や治療に対する運動の効果を表す図。
図1 運動の効果

 サルコペニアの対策を行う場合、抗重力筋と呼ばれる筋肉を強化することが重要になります。抗重力筋とは、重力に抗って直立位を保つために必要な筋肉のことで、体幹や脚の大きな筋肉が含まれます。このような筋肉は加齢に伴い小さくなりやすく(筋力が低下しやすく)、日常生活の遂行に大きな影響を来します。

 抗重力筋の中でも特に重要な、太ももの前面の筋肉(大腿四頭筋)やお尻の筋肉(大殿筋)を鍛えることができる運動を紹介します。

 図2の運動は、太ももの前面の筋肉を強化する方法です。椅子に座った状態で両脚を前に投げ出し、この状態のまま片脚ずつゆっくりと持ち上げます。3秒かけて挙げ、3秒かけて降ろす、を片脚ずつ10回繰り返しましょう。

図2 腿上げ運動 画像:AAOS

 図3の運動は、太もも前面とお尻の筋肉の両方を強化する方法です。椅子から立ち上がろうとして、お尻が座面から浮いた位置で静止します。まずは10秒間、できそうであれば少しずつ時間を延ばしていきましょう。これを3回繰り返します。

図3:空気椅子の運動をする様子を表す図。
図3 空気椅子の運動 画像:WorkoutLabs

 なお、腰痛や膝関節痛がある場合には、このような運動を行うことで、かえって症状を悪化させる場合があります。そのような場合には、一度かかりつけの医師にご相談ください。

文献

  1. サルコペニア診療ガイドライン作成委員会会編. サルコペニア診療ガイドライン2017年版. ライフサイエンス出版2017.

筆者

写真:筆者_山田実先生
山田 実(やまだ みのる)
筑波大学人間系 教授
最終学歴
2010年 神戸大学大学院医学系研究科博士後期課程修了(保健学博士)
主な職歴
2008年 京都大学大学院医学研究科 人間健康科学系専攻助手、2010年 同・助教、2014年 筑波大学人間系准教授、2019年 同・教授、現在に至る。
専門分野
老年学、リハビリテーション

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