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胃十二指腸潰瘍

公開日:2017年6月29日 14時43分
更新日:2019年6月21日 11時32分

胃十二指腸潰瘍の発症原因

 口から摂取した食べ物は食道を経て胃に入ります。胃は食物を消化するために強い酸と消化酵素を含んだ胃液を分泌します。胃はこの胃液から自分自身が消化されるのを防ぐため粘液を分泌し胃の表面を守っています。この胃液(攻撃因子)と粘液(防御因子)のバランスが崩れ、胃液によって胃自身が障害をうけて形成されたものが胃潰瘍です。十二指腸潰瘍も同様の機序で発症すると考えられます。

胃十二指腸潰瘍の発症頻度

 年齢別に見ると、胃潰瘍は50歳代前後の中高年に多く、十二指腸潰瘍はそれよりも若い30歳代に多い傾向があります。

胃潰瘍をつくる原因

 胃潰瘍をつくる原因として、消炎鎮痛薬(痛み止めや解熱剤)の内服、ストレス、アルコールの飲み過ぎなどがあります。これらは胃の防御因子を弱めることにより潰瘍を発生させることがわかっています。

 またヘリコバクター・ピロリ菌(以下ピロリ菌)という細菌が胃に感染していると潰瘍の発生や、特に潰瘍の再発に強く関係していることがわかってきています。胃潰瘍の70%以上、十二指腸潰瘍ではほとんどの場合でピロリ菌の感染が証明されています。

図:胃や腸の潰瘍の発生に強く関わるピロリ菌のイラスト

胃潰瘍の症状

 胃潰瘍の典型的な症状は、みぞおちのあたりの痛みです。特に空腹時に感じる痛みは胃潰瘍を疑う症状です。しかし痛みを感じずに圧迫感や膨満感、胸やけ、吐き気などの症状のみの場合や症状がない場合もあります。

 胃潰瘍がひどくなると出血して血を吐いたり、真っ黒のタール状の便が出たりします。胃潰瘍が深くなると穴が空いて激しい痛みを感じることがあります。高齢者では症状が出にくく、出血してはじめて分かる場合があります。

胃潰瘍の診断

 胃潰瘍を調べる検査にはバリウム検査と内視鏡検査があります。癌でも潰瘍ができるため、癌ではないことを調べるには内視鏡検査が必要です。胃潰瘍があることがわかったら、ピロリ菌がいるかどうかも調べます。

胃潰瘍の治療

 胃潰瘍の治療は、胃酸(攻撃因子)を抑える薬を飲むことによりほとんどの潰瘍が治ります。

 ピロリ菌が存在する場合にはピロリ菌の治療も行います。ピロリ菌の治療は胃酸を抑える薬と2種類の抗生物質を通常1週間飲むことで行います。ピロリ菌の治療が成功すると、胃潰瘍では80%、十二指腸潰瘍では95%前後の人で胃潰瘍の再発を防止することができます。

 胃潰瘍から出血した場合は、内視鏡を使って止血をします。最近は潰瘍で手術することはほとんどありませんが、血が止まらない場合や穴が空いた場合には手術になる場合があります。

胃潰瘍の予防

 上述しましたように、高齢者では他の種々の疾患(脳梗塞、心疾患、骨粗鬆症など)のために消炎鎮痛薬を内服していることも多く、腹痛などの症状が出にくいために、潜在的に潰瘍病変が出現、進行して、急に吐下血の症状を呈する場合が少なくありません。

 何か症状があった場合(腹部不快感、食欲不振など)には積極的に検査を受けることが必要です。

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