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肝硬変

公開日:2017年6月30日 10時10分
更新日:2019年2月 1日 19時31分

肝硬変とは

 肝硬変とは、種々の原因による肝障害の終末の病態のことです。肝硬変は不可逆性で慢性的進行性の経過をたどり、代償期であれば症状は軽度ですが、非代償期すなわち肝機能が限界を超えて低下すると予後は非常に悪く、年間1万人以上が死亡しています。

肝硬変の原因

 肝硬変の原因は、ウイルス性肝炎(B型あるいはC型肝炎ウイルス)、アルコール性肝炎がほとんどで、その他には薬剤性、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変などの特殊なタイプがあります。

肝硬変の症状

 肝硬変の臨床像は非常に多彩ですが、肝硬変の症状は主に肝機能の高度の低下と門脈圧の亢進の2つの要因に基づく症状と言えます。肝臓は蛋白合成および老廃物の代謝をおこなって、人間の恒常性を保つのに重要な役割を果たしていますが、この機能が高度に障害されると血液の中の蛋白成分が減少して、全身がむくんだり腹水が貯留したりします。

 また、老廃物を取り除く能力の低下によって、体内に老廃物が蓄積して、手のひらが赤くなったり、男性に女性様の乳房が出現したり、黄疸が出現したりします。さらに肝機能が悪化すると、意識の状態が変化して、傾眠傾向(常に寝ていたり、昼寝て夜起きる)、意味不明の行動や言動がともなう肝性昏睡の状態を呈するようになります。

 一方、肝臓には肝動脈の他に胃腸から還流血(静脈系)である門脈が流入しますが、肝硬変になるとこの門脈内に血が大量にうっ滞するために食道静脈瘤を形成したり、腹部の皮膚表面の静脈が怒張したりします。

 食道静脈瘤は、肝硬変末期になると、しばしば破裂して大量出血によりショック状態となり(死亡する場合もあります)、内視鏡的食道静脈瘤硬化術(静脈瘤内に胃内視鏡下に血管を硬化する薬剤を注入)、内視鏡的食道静脈瘤結紮術(静脈瘤の破裂、出血部位を縛って止血する)などの緊急処置が必要となる場合があります。

肝硬変の診断

 肝硬変の臨床症状と腹部超音波やCT検査などによる肝の画像的評価、血液データから肝硬変の診断をします。

 肝硬変では、血液データ上は血清トランスアミナーゼ値などの異常は比較的軽度で、肝全体の予備能をあらわす、血清アルブミン値、コリンエステラーゼ値、凝固因子の低下が著明に出現します。

 また、脾腫をしばしばともなうために白血球や血小板数の減少、貧血などが認められます。

※脾腫(ひしゅ):
脾腫とは、ひ臓がはれて大きくなった状態

肝硬変の治療

 肝硬変の根本的治療は生体肝移植しかありませんが、日本ではドナーが少ないこともあって、あまり行われていないのが現状です。また、残念ながら、高齢者への適応は現状では困難と言うことが出来ます。

 肝移植以外の治療としては、肝庇護剤の投与をおこなったり、浮腫や腹水に対しては、経口あるいは経静脈的に蛋白を補給して利尿剤(尿を多く出すようにする薬)を投与したり、肝性昏睡に陥った場合には、絶食や点滴による治療を行います。

肝硬変の予防

 しかし、肝硬変の治療は基本的に対症療法でしかありません。このため、いかに非代償期の肝硬変への進行を遅らせるかという予防が最も大切であり、常に規則正しい生活、安静、高蛋白高ビタミン食、禁酒を心がけることが必要です。

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