健康長寿ネット

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介護予防把握事業とは

公開日:2019年2月13日 09時10分
更新日:2019年2月13日 13時07分

介護予防把握事業とは1)

 介護予防把握事業とは、地域の実情に応じて収集した情報等の活用により、閉じこもり等の何らかの支援を要する者を把握し、介護予防活動へつなげるという取り組みで、「一般介護予防事業」の一つです。高齢者の生活の実態を把握することで介護予防機能を強化することを狙いとしています。

介護予防とは2)

 介護予防とは、そもそも高齢者が要介護状態等となることを予防したり、要介護状態等の軽減・悪化の防止を目的として行うものです。

 特に、生活機能の低下した高齢者に対しては、リハビリテーションの理念から、心身機能、活動、参加のそれぞれの要素にバランスよく働きかけることが重要となるとされており、単に高齢者の運動機能や栄養状態といった心身機能の改善だけを目指すものではありません。日常生活の活動を高め、家庭や社会への参加を促し、それによって一人ひとりの生きがいや自己実現のための取り組みを支援して、QOLの向上を目指すことが必要です。

 しかし、これまでの介護予防の手法は、心身機能を改善することを目的とした機能回復訓練に偏りがちになってしまい、介護予防で得られた活動的な状態をバランス良く維持するための活動や社会参加を促す取り組みはされていませんでした。

 このことを踏まえて、これからの介護予防は、機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけにとどまらず、生活環境の調整や、地域の中に生きがい・役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど、高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた、バランスのとれたアプローチが重要であるとしています。

介護予防把握事業の対象者とは

 介護予防把握事業の対象者は第1号被保険者(65歳以上)の者で、要支援および要介護認定を受けていない高齢者となります。これに加えてその支援のために活動に関わる者も対象となります。これらの対象者へ基本チェックリストを用いて、高齢者が定期的に自分の健康状態を把握するように促していきます。こうすることで地域住民主体の介護予防活動へつなげていくことを目的としています。行われる場所としては地域包括支援センターおよび市が管轄する場所となります。判定の結果、介護予防の必要性がある者に対しては、地域包括支援センターの職員が直接アプローチを行います。

一般介護予防事業の種類と内容1)

 一般介護予防事業には、介護予防把握事業のほかに、介護予防普及啓発事業、地域介護予防活動支援事業、一般介護予防事業評価事業、地域リハビリテーション活動支援事業があります。

 これらの対象者は、すべての第1号被保険者(65歳以上の高齢者)及びその支援のための活動に関わる者としています。

介護予防把握事業

 介護予防把握事業は、収集した情報等の活用により、閉じこもり等の何らかの支援を要する者を把握し、介護予防活動へつなげます

介護予防普及啓発事業

 介護予防普及啓発事業は、介護予防活動の普及・啓発を行います

地域介護予防活動支援事業

 地域介護予防活動支援事業は、住民主体の介護予防活動の育成・支援を行います

一般介護予防事業評価事業

 一般介護予防事業評価事業は、介護保険事業計画に定める目標値の達成状況等を検証し、一般介護予防事業評価を行います

地域リハビリテーション活動支援事業

 地域リハビリテーション活動支援事業は、介護予防の取り組みを機能強化するため、通所、訪問、地域ケア会議、住民主体の通いの場等へのリハビリ専門職等による助言等を実施します。

参考文献

  1. 厚生労働省 総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  2. 厚生労働省 介護予防(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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