健康長寿ネット

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踏み台昇降運動と踏み台昇降テスト

踏み台昇降運動とは

踏み台昇降運動を行っている写真。踏み台昇降運動とは、高さのある台に昇ったり降りたりを繰り返す全身運動のことをいい、全身持久力、筋力・筋持久力、バランス能力の向上など健康長寿につながる効果が期待できます。

 踏み台昇降運動とは、高さのある台に昇ったり降りたりを繰り返す全身運動のことをいいます。台の高さを変えることで簡単に運動強度の調整ができるため、個人の体力に合わせて行うことが可能となります。

 一定時間踏み台昇降運動を行うことで有酸素運動になり、また下肢筋力の向上にも効果があります。そのため体力・筋力向上だけでなく、肥満の予防や改善を目的としても多く活用されています。

 踏み台昇降は、階段を上るように台に片足で上がり、もう一方の足を台に上げて両足の直立姿勢になります。そこから最初に台に上げた足から床に降ろし、もう一方の足を戻して最初の直立姿勢に戻ります。台に上るときは前方への移動、台から降りるときは後方への移動になります。これらの一連の動きをくり返します。適宜最初に踏み出す足、下ろす足を左右替えるようにします。音楽に合わせたりカウントしたりと、リズミカルに行います。

踏み台昇降運動の効果

 踏み台昇降運動では、全身持久力、筋力・筋持久力、バランス能力の向上が期待できます。踏み台を昇るときには腸腰筋、大腿四頭筋、大臀筋、降りるときにはハムストリングスが使われ、下肢の主要な大筋群を鍛えることができます。また昇り降りの際に片足立ちの局面があるため、下肢筋群だけでなく全身的なバランス能力の向上にも効果が期待できます。筋力やバランス能力のほかにも、一定時間くり返し行うことで筋持久力の向上にも効果があります。

 踏み台の高さを高くすることで、これらの効果をさらに高めることが可能となります。

 踏み台昇降運動は基本的に昇り降りをくり返しますが、昇り降りに加えてニーアップ(膝上げ)やレッグカール(膝曲げ)を組み合わせた「ステップエクササイズ」に発展させることもできます。

 また運動量では、平らな地面をほどほどの速さ(4.5~5.6km/h)で歩くウオーキング運動が3.5~4.3メッツであるのに対し、階段を上る動作はゆっくりでも4.0メッツ、速いテンポだと8.8メッツに相当します。踏み台昇降は階段の昇りと同じ動作が含まれるため、十分な運動量を確保することができ、全身持久力の向上に役立ちます1)

踏み台昇降テストとは

 踏み台昇降運動を一定時間行った後に数回心拍数を測定し、心拍数の回復の程度によって全身持久力を評価します。このテストは踏み台昇降をくり返す一定の負荷で行われるため、全身持久力が高い人は心拍数が低く抑えられ、かつ運動後の心拍数の回復が早い傾向がみられます。

踏み台昇降テストの目的・意義

 踏み台昇降テストは全身持久力を測定することを目的に行われます。踏み台昇降テストの長所は、広い場所がなくても踏み台とストップウォッチ(秒針がある時計でも可)があればどこでも簡単に、短時間で測定することができる点です。

 測定者が、継続が困難となった場合に自分の意思で動きを止めることができ、また測定者のそばに補助者がついて行うことができるため、安全性にも優れたテストです。

踏み台昇降テストの測定方法

 踏み台昇降テストでは、昇降運動を3分間行い、心拍数を測定します。踏み台の高さは男性40cm、女性35cmに設定し、1分間に30回(2秒に1回)のペースで昇降をくり返します。

 踏み台昇降の手順は、最初に直立の姿勢から、片足(左右どちらでも可)を台に上げます。もう一方の足を台に上げ、台の上に両足での直立姿勢になります。最初に台に上げた足から床に降ろし、もう一方の足を戻して最初の直立姿勢に戻ります。これら一連の動きを2秒に1回のペースで行います。テンポがつかみにくい場合は、測定者や補助者が「1、2、3、4」と号令をかけたり、メトロノームで一定のテンポを示すことが効果的です。

 昇降をくり返すときは、毎回同じ足から上げても良いですし、途中で足を交代させることも可能です。足を交代させるときはテンポに遅れないように、また転倒しないよう気を付けながら行ってださい。

 3分間の踏み台昇降運動終了後1分から1分30秒、2分から2分30秒、3分から3分30秒ごとに座位での安静状態で心拍数を測定します。評価の得点は、(180(秒)/3回分の心拍数の和×2)×100で求められます。

踏み台昇降テストはどこで受けられるか

 体力測定は地域の体育施設や行政主催で行われることが多いですが、全身持久力の測定に踏み台昇降テストが用いられることはあまりありません。踏み台に替わる物を用意することができれば誰でも自宅で行うことが可能です。しかし踏み台昇降運動は台からの落下など転倒リスクがあるため、補助者についてもらえる環境が推奨されます。

参考文献

  1. 改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』 国立健康・栄養研究所(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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