健康長寿ネット

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脚筋力の測定方法・イス座り立ちテスト

公開日:2016年7月25日 09時00分
更新日:2019年2月 1日 15時37分

脚筋力とは

 脚筋力とは下肢の筋力のことです。下肢の大きな筋群には、大腿四頭筋(太もも前面)、ハムストリングス(太もも後面)、腓腹筋(ふくらはぎ)、前脛骨筋(膝下の前面)があり、脚筋力とはこれらの筋の総合的な筋力のことをいいます。

 脚筋力は、歩行、椅子の立ち座り、階段昇降など様々な日常生活動作で使われます。そのため日常生活の活動性が低下すると脚筋力も低下し、脚筋力が低下すると転倒や疾病のリスクが高くなることが明らかになっています。日常生活活動には脚筋力が必要不可欠なので、脚筋力の著しい低下はロコモティブシンドローム※1に近い状態といえます。

※1 ロコモティブシンドローム(運動器症候群):
ロコモティブシンドロームとは、和名を「運動器症候群」、通称名「ロコモ」と呼ばれ、運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態のこと(リンク1参照)1)

リンク1:ロコモティブシンドロームとは

脚筋力の測定の目的・意義

 脚筋力は全身の筋力との相関があり、脚筋力を測定することで筋力が十分であるか不足しているかの目安になります。歩行や階段昇降などの日常生活や運動の多くは脚を使うため、運動不足の場合は脚筋力が低くなっている可能性があります。反対に活動量が十分である場合は脚筋力も高い傾向があります。脚筋力を測定することで、自分の体力、活動量、筋力バランスなどの評価をすることができるので、同年代に比べて筋力が低かったり、以前の自分自身の記録よりも著しく低下している場合は、日常生活での運動習慣を見直す必要があるといえます。

脚筋力の測定方法

 脚筋力の測定方法は、脚筋力計を用いた測定、徒手筋力計を用いた測定、イス座り立ちテスト・Timed Up & Goテストなどがあります。

 脚筋力計を用いた測定では、脚筋力の代表値として膝関節伸展筋(大腿四頭筋)がよく測定され、一般的に「脚筋力計」とは写真1のような測定機器を指すことが多いです(写真1)。

写真1:脚筋力を測定する脚筋力計を示す写真。
写真1:脚筋力計 画像引用:竹井機器工業株式会社

脚筋力計を使用した脚筋力の測定手順

  1. 座面の高さを調節し、膝関節が90度になるように座ります。
  2. 体幹と大腿部をベルトなどで固定します。
  3. 全力で膝を伸ばします。
  4. 左右交互に2回ずつ実施し、それぞれ良い方を記録します。

 膝を伸ばす際にお尻が椅子から浮いたり、姿勢が崩れることが確認された場合は測定不可となります。

Timed up & go テスト

 筋力計など専門的な測定器具な無い場合でも、脚筋力は測定することができます。下肢全体の複合的な脚筋力の測定に「Timed up & goテスト2)」があります(写真2)。

 Timed up & goテストは2回実施します。小走りも可となります。

  1. 背中を垂直にして椅子に座ります。手は太ももに置いておきます。
  2. 開始の合図で椅子から立ち上がり、3m先の目印まで歩いて折り返し、再び椅子に座ります。目印でのまわり方(折り返し方)は、被験者の自由とします。
  3. 測定者は対象者の背中が離れたときから、立ち上がって再び座るまでの時間を測定します。
写真2:Timed up&goテストの様子を示す風景写真。
写真2:Timed up & go テストの様子2)

イス座り立ちテスト

 下肢全体の複合的な脚筋力の測定には、より場所を必要とせず簡易に行えるイス座り立ちテストがあります。椅子に座る、立ち上がるという動作は日常生活の中で必要不可欠な動きです。健康で自立的に生活するためには最低限必要な動きといえます。また日常動作で動きが簡易であるため安全に測定することができます。

イス座り立ちテストの測定方法と評価3)

  1. 椅子の前に立ちます。足は肩幅程度に自然に開いておきます。
  2. スタートの合図で椅子に座り、お尻が座面についたらすぐに再び立ち上がります。立ち上がり膝関節が十分に伸展したところで1回と数えます。
  3. 1~2の動作を10回繰り返すのに要する時間を測定します。

 イス座り立ちテストの評価は、性別、年齢によって異なります。評価表を参考に、評価を行ってみてください(表1、表2)。評価が「遅い」となった場合は、脚筋力が低下している可能性が高いと考えられます。障害予防や疾病予防のため、スクワット、大股ウォーキング、速歩、階段昇降、ランニングなど下肢筋群を使った運動を日常的に行えるように意識してみてください。

表1:イス座り立ちテスト評価表(男性)3)一部改変
年齢速い普通遅い
男性
20~39歳 ~6秒 7~9秒 10秒~
40~49歳 ~7秒 8~10秒 11秒~
50~59歳 ~7秒 8~12秒 13秒~
60~69歳 ~8秒 9~13秒 14秒~
70歳~ ~9秒 10~17秒 18秒~
表2:イス座り立ちテスト評価表(女性)3)一部改変
年齢速い普通遅い
女性
20~39歳 ~7秒 8~9秒 10秒~
40~49歳 ~7秒 8~10秒 11秒~
50~59歳 ~7秒 8~12秒 13秒~
60~69歳 ~8秒 9~16秒 17秒~
70歳~ ~10秒 11~20秒 21秒~

参考文献

  1. 新概念「ロコモ(運動器症候群)」 公益社団法人日本整形外科学会(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  2. 運動器の機能向上マニュアル(改訂版) 「運動器の機能向上マニュアル」分担研究班 厚生労働省(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  3. 椅子座り立ちテストの方法 公益財団法人健康・体力づくり事業財団(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

令和5年度「長生きを喜べる長寿社会実現研究支援」の公募情報を公開しました

 公益財団法人長寿科学振興財団は令和5年度の長寿科学研究者支援事業「長生きを喜べる長寿社会実現研究支援」を公募します。本事業は財団ビジョン「長生きを喜べる長寿社会実現~生きがいのある高齢者を増やす~」を達成するため、超高齢社会の課題の解決となる実用的な方法(製品やサービス、仕組みなど)の研究開発から本格的な社会実装を含めた一気通貫の課題解決型のプロジェクトを採択し、支援するものです。

 令和5年度の公募情報を当財団ホームページにて公開をいたしました。

  • 提案受付期間:7月1日(金)~7月29日(金)
  • 助成金額:年間上限3,000万円
  • 助成期間:最長10年間
  • 採択件数:0件から2件程度

令和5年度 長生きを喜べる長寿社会実現研究支援の公募(新しいウインドウが開きます)

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 新型コロナウイルス感染症の感染が再び拡大する可能性がある状況で、毎日ご不安に感じられている方も少なくないと思われます。特に高齢者の方におかれましては感染予防を心掛けながら健康を維持していくことが大事です。

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