健康長寿ネット

健康長寿ネットは高齢期を前向きに生活するための情報を提供し、健康長寿社会の発展を目的に作られた公益財団法人長寿科学振興財団が運営しているウェブサイトです。

高齢者の握力測定

握力とは

 握力とは、物を握るときに発揮される力のことで、主に前腕部と上腕部の筋によって力が発揮されます。主に上半身の筋力となりますが、握力は全身の総合的な筋力と関連があることが多くの研究で明らかになっています。

 また、握力は簡便かつ安全に測定ができることから、筋力測定の指標として多く用いられます。

 握力の平均値は年代によって異なり、一般的には男子は35~39歳、女子は40~44歳でピークに達し、その後加齢に伴い低下します(図1)1)

 60歳以上の中高齢者の握力の平均値は、60~64歳男性42.85kg女性26.31kg、65~69歳男性39.98kg女性25.20kg、70~74歳男性37.36kg女性23.82kg、75~79歳男性35.07kg女性22.49kgとなっています。

図1:加齢に伴う握力の変化を示す折れ線グラフ。加齢と共に握力は低下することを示す
図1:加齢に伴う握力の変化

高齢者の握力測定の意義

 握力は難しい動きを必要とせず、短時間で安全に測定することができるため、高齢者の筋力測定に適しているといえます。さらに握力は下肢の筋力やその他多くの部位の筋力と相関関係が高いため、全身の筋力の程度を知るための指標として用いられます。

 また、厚生労働省研究班によると「握力の経年低下が大きいほど総死亡、循環器死亡、およびその他の死亡リスクが有意に上昇」するなど、多くの研究で握力と疾病リスクが関連していることが明らかになっています2)。定期的に握力を測定することで、維持または緩やかに低下していれば加齢減少とみることができますが、短期間に明らかに大きく低下している場合は、筋力を含めた全身の体力向上が必要と考えられます。

高齢者の握力測定の方法3)

 握力計を図2のように握ったときに、人差し指の第2関節が約90度(ほぼ直角)になるように握り幅を調整します。

 握るときは腕を自然に下げたまま、握力計が身体や衣服に触れないように注意します。身体や衣服に触れる、握力計を振り回すなどの行為が見られた場合は測定不可となります。

 握力は左右交互に2回ずつ測定します。記録はキログラム未満で切り捨て、左右それぞれの良い方の記録を平均します。

図2:握力の測定方法を示すイラスト。握力計の握り方は人差し指の第2関節が直角になるように握る
図2:握力の測定方法3)

 握力を高めるためには筋力トレーニングを行うのが効果的です。握力は握る力なので、ダンベルやバーベルなど重りを使った運動をすることで自然と高まることが期待できます。握力は全身の筋力と相関するので、健康や障害予防の観点から上腕だけでなく全身のトレーニングをすることが推奨されます。

 また、握力を測定することで、実施しているトレーニングの効果が表れているかの評価にもなります。

握力測定はどこでできるか

 握力測定には握力計が必要です。広い場所を必要としないため、握力計があればどこでも測定することが可能です。一般的に、握力計は多くの体育施設、教育施設、健康センター、病院(リハビリテーション室や機能改善室等)に置いてあります。測定ができるかどうか各施設に問い合わせてみましょう。また、自宅用に個人で購入することも可能です。

参考文献

  1. 平成27年度体力・運動能力調査結果の概要及び報告書について スポーツ庁(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  2. 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業 身体活動・不活動量・運動量の実態とその変化が生活習慣病発症に及ぼす影響と運動介入支援の基盤構築に関する研究 平成26年度総括・分担研究報告書2015.
  3. 新体力テスト実施要項(65~79歳対象) 文部科学省(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

このページについてご意見をお聞かせください

関連記事