健康長寿ネット

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筋肉の種類とその機能

筋肉には赤い筋肉と白い筋肉の
2種類があることを知っていますか?

赤い筋肉・遅筋と白い筋肉

 赤い筋肉は遅筋(ちきん)と呼ばれ、収縮は遅いものの、繰り返し収縮しても疲労しにくいという特性を持っています。

 一方、白い筋肉は速筋(そっきん)と呼ばれ、速く収縮し発揮する張力も大きいという特性を持っています。さらに速筋は、疲労しやすく持久性能力が低い「FG線維」と、比較的疲労しにくい性質を持つ「FOG線維」に分かれます。 (リンク1参照)

リンク1 「筋肉・赤筋・白筋」

ヒラメとマグロ

 この違いを分かりやすく、わたしたちの生活に身近な「魚」を例にしてみましょう。

 白い筋肉(=白身)の魚の代表にはヒラメがあげられます。ヒラメは主に海岸線に近い砂地の海域で、普段はじっと砂に隠れるように住んでいます。そして、目の前に獲物となる小魚を発見すると、すばやく追いかけたり、外敵からすばやく逃げるため、ヒラメのからだは速く収縮する速筋が多く存在しています。

 一方、赤い筋肉(=赤身)の魚の代表にはマグロがあけられます。マグロの中でもクロマグロは太平洋を横断して北アメリカにつくと、進路をかえて成長を続けながら、日本近海まで大海原を回遊するため、遅く収縮する遅筋が多く存在しています。

短距離選手は速筋、マラソン選手は遅筋

 ではなぜ、遅筋が赤いのでしょうか?

 それは、筋肉に酸素を貯える「ミオグロビン」というたんぱく質を多く含んでいるからです。マグロなどの魚が大海原を回遊できるのは、ミオグロビンが貯えた酸素を使って、エネルギーを生み出す能力が高いからです。このことを、人間の場合で考えてみましょう。

 例えば、陸上競技の短距離走や砲丸投げなど、短時間に爆発的な力の発揮を必要とする種目の一流選手では、主働筋(主に運動に関わっている筋肉)に速筋の占める割合が大きくなっています。実際、100m走の一流ランナーの主動筋は80%以上が速筋であったという報告があります。

 その反対に、マラソンやスキーの距離競技など、持久的な種目で優れた成績を持つ選手では、遅筋線維の占める割合が多く、マラソントップランナーの足は約90%が遅筋であるという報告もあります。

トレーニングによって遅筋と速筋の割合は変化

 これまで遅筋と速筋の割合は生まれながらに決定され、トレーニングによる変化は少ないと考えられていました。そのため、ある運動種目に特有の筋線維組成の偏りは、その種目に適した筋肉を持っている人が、自然選択的にそれぞれの種目を行うようになったものと考えられていました。

 しかし、近年、瞬発的なトレーニングをすると速筋に、持久的なトレーニングをすると遅筋に変化することがわかってきました。

 また、一般的に男では速筋の比率が高く、女では遅筋の比率が高いこと、加齢にともない速筋のほうが減少しやすいことなど、性差、年齢による差があるといわれています。中高年では瞬発的な運動よりも持続的な運動のほうが向くゆえんかもしれません。

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