健康長寿ネット

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生活習慣病予防に効果的な運動習慣

運動習慣とは

 厚生労働省が発表した平成27年国民健康・栄養調査において、運動習慣のある者とは、「1回30 分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続している者」1)とあります。

運動習慣の推移

 平成27年の調査では、運動の習慣のある者の割合は、男性37.8%、女性27.3%であり、平成17年からの10年間の推移をみると大きな変化はみられません(グラフ1)。

グラフ1:男女20歳以上の運動習慣のある者の割合の年次推移を示した折れ線グラフ。
グラフ1:運動習慣のある者の割合の年次推移(20 歳以上、平成17~27年1)

 平成15年、平成20年と比較した年齢別の運動習慣のある者の割合をみると、平成27年では70歳以上で男性52.5%、女性37.5%と増えており、とくに男性では運動習慣のある方が半数以上であることがわかります。一方、20代で男性17.1%、女性8.3%と最も低い割合となっており、生活習慣病の発症予防を意識したい若い世代で、運動習慣の意識が低いことがみられます(グラフ2、グラフ3)。

グラフ2:男性の年齢別の運動習慣のある者の割合を示す棒グラフ。若い世代より高齢期世代の方が運動習慣があることを示す。
グラフ2:運動習慣のある者の割合(平成15年、20年、27年との比較・男性)2)3)より作図
グラフ3:女性の年齢別の運動習慣のある者の割合を示す棒グラフ。若い世代より高齢期世代の方が運動習慣があることを示す。
グラフ3:運動習慣のある者の割合(平成15年、20年、27年との比較・女性)2)3)より作図

生活習慣病と運動習慣の関連(運動習慣の効果)

 心筋梗塞、脳梗塞などの冠動脈疾患や、高血圧症、糖尿病などの生活習慣病の罹患発症リスクは、身体活動量が多いほど低くなるといわれています。

 身体活動量が多くなることや、ウォーキングやラジオ体操などの有酸素運動を行うことで、エネルギーがたくさん消費され、内臓脂肪が燃焼されやすくなります。内臓の働きも活発となり、糖や脂質の代謝、血流や血管壁の伸縮性も改善され、肥満の予防・改善や、血糖値や脂質、血圧の状態の改善が図られます。

 運動を行うことで、体力・持久力が向上し、身体活動量を確保しやすくなること、筋肉量が増えて代謝が良くなることも糖尿病や糖尿病の前段階でもある耐糖能異常の予防に有効とされています。運動は、心筋梗塞などの虚血性心疾患、脳梗塞、大腸がんなどの発症リスクも低下させる効果があることがいわれています4)

効果的な運動習慣をつけるポイント

 生活習慣病予防には、以下の身体活動と運動が効果的であるといわれています。

生活習慣病予防に効果的な身体活動と運動

  • 歩行と同等以上の身体活動を毎日60分以上(週に23メッツ・時※以上)行うこと
  • 65歳以上では身体活動の内容は問わず毎日40分以上(週に10メッツ・時以上)行うこと
  • 身体活動のうち、息が弾み、汗をかく程度の運動を週に60分以上(4メッツ・時)より多く行うこと

 具体的には、歩行(3.0メッツ・時)やそうじ(3.3メッツ・時)などの身体活動を毎日60分以上行い、さらにウォーキング(4.3メッツ・時)やラジオ体操第一(4.0メッツ・時)などの運動を週60分以上行うことが生活習慣病の発症を予防に効果的な身体活動と運動です5)(図1、図2)。

図1:1週間の身体活動量と運動を示す図。毎日60分以上の歩行や掃除と週60分以上のウォーキングやラジオ体操を行うことを示す。
図1:1週間の身体活動量と運動
図2:健康づくりのための身体活動基準2013より年齢別の身体活動基準を示す表。
図2:健康づくりのための身体活動基準20135)

効果的な運動習慣をつけるためには、毎日の生活の中で以下のことを意識して行いましょう6)

効果的な運動習慣をつけるために、毎日の生活の中で意識すること

  • 普段から通勤や買い物、散歩時には積極的に歩くこと
  • そうじや洗濯などの家事で身体を動かすこと
  • 歩く時は歩幅を大きくして早歩きをすること
  • ストレッチや筋力トレーニングを家事や仕事の合間に行うこと
  • 仲間とスポーツを楽しむことなどを意識して行うこと
  • 今よりもプラス10分、活動的な生活を送ること
※メッツ・時:
メッツ・時とは、運動強度の指数であるメッツに運動時間(hr)を乗じたものです。メッツ(MET: metabolic equivalent)とは、身体活動におけるエネルギー消費量を座位安静時代謝量(酸素摂取量で約 3.5 ml/kg/分に相当)で除したものを指します。酸素 1.0 リットルの消費を約 5.0kcal のエネルギー消費と換算すると、1.0 メッツ・時は体重 70kg の場合は 70kcal、60kg の場合は 60kcal となる。このように標準的な体格の場合、1.0 メッツ・時は体重とほぼ同じエネルギー消費量となるため、メッツ・時が身体活動量を定量化する場合によく用いられます5)

アクティブガイドについて

 健康に日常生活を送ることのできる健康寿命を延ばすために、健康日本21(第二次)の取り組みとして、運動のみだけではなく「生活全体の中で身体を動かす時間を増やしましょう」という「身体活動の推進」が着目されています。

 今よりもプラス10分多く、身体を動かす意識を高めて実施できるように、いつ、どのような活動をすればよいのかということが、具体的にわかりやすく「厚生労働省の健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」で示されています(リンク1参照)。

リンク1:健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド) 厚生労働省(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

参考文献

  1. 厚生労働省 平成27年「国民健康・栄養調査」 25p 図34-1 運動習慣のある者の割合の年次推移(20 歳以上)(平成17~27年)
  2. 厚生労働省 平成27年「国民健康・栄養調査」PDF 25p 図35 運動習慣のある者の割合(20 歳以上、性・年齢階級別)
  3. 厚生労働省 平成20年国民健康・栄養調査結果の概要 PDF 11p 図5-1 運動習慣のある者の割合(平成15年と20年との比較)
  4. 厚生労働省 健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)5.生慣病と身体活動14p
  5. 厚生労働省 健康づくりのための身体活動基準2013(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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