健康長寿ネット

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高齢者の食事摂取基準

日本人の食事摂取基準とは1)

 健康増進法に基づき、国民の健康の保持・増進を図るうえで摂取することが望ましいエネルギーと栄養素の量の基準を示すものです。使用期間は5年ごとで、現在使用されているものは食事摂取基準2015年版で平成27年~平成31年まで使用されます。

 対象とするのは健康な個人または健康な人を中心として構成される集団で、高血圧、脂質異常、高血糖、腎機能低下に関するリスクを有していても自立した日常生活であれば含まれます。

 エネルギーと栄養素の指標があり、エネルギーの指標はエネルギー摂取の過不足を回避する目的として設定されています。また栄養素に関しては、3つの目的から5つの指標で構成されています。

 栄養素の摂取不足を回避するための指標は推定平均必要量、推奨量、過剰摂取による健康障害の回避は耐容上限量、生活習慣病の予防には目標量が栄養素ごとに設定されています。

高齢者に必要な摂取カロリー

 エネルギーの摂取量及び消費量のバランスの維持を示す指標にBMIを使用します。目標とするBMIの範囲内に体重を設定し、肥満以外に、高齢者の場合には低栄養予防のためにも、エネルギーをしっかりと補います。

 高齢者に必要な摂取カロリーは表1、目標とするBMIの範囲は表2の通りです。

表1:推定エネルギー必要量(kcal/日)
性別男性女性
身体活動レベルⅠ(低い)Ⅱ(普通)Ⅲ(高い)Ⅰ(低い)Ⅰ(普通)Ⅲ(高い)
50~69歳 2100 2450 2800 1650 1900 2200
70歳以上 1850 2200 2500 1500 1750 2000
※身体活動レベル:
  • Ⅰ(低い):生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合
  • Ⅱ(普通):座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買物・家事・軽いスポーツ等のいずれかを含む場合
  • Ⅲ(高い):移動や立位の多い仕事への従事者。あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合
表2:目標とするBMIの範囲
年齢目標とするBMIの範囲
50~69歳 20.0~24.9
70歳以上 21.5~24.9

高齢者に必要な栄養素摂取量

 高齢者に必要な栄養素摂取量を考えるうえで、特に高齢者の場合は、たんぱく質が不足にならないように気を付けましょう。たんぱく質不足は低栄養を招きやすいため、1日3回の食事でたんぱく質豊富に含まれる肉や魚、大豆製品を取入れるとよいでしょう。また、食事だけでなく間食を取入れ、間食に牛乳・乳製品を摂るように心がけましょう。

 また、女性においては骨粗鬆症(こつそしょうしょう)予防のため、カルシウムの摂取は必要です。

 また、ビタミンや亜鉛などのミネラルの摂取は、皮膚の健康や免疫機能、体の調子を整えるうえで必要な栄養素です。日々の食事では、日本食の「一汁三菜」に代表されるバランスの良い食事メニューを心がけ、日々の食事から、1日に必要なエネルギーやたんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルを補うようにしましょう。

高齢者に1日に必要な3大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物)の摂取量

 高齢者に1日に必要な3大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物)の栄養摂取量は表3の通りです。

表3:3大栄養素の基準値
栄養素男性女性
50~69歳70歳以上50~69歳70歳以上
たんぱく質(g/日)推奨量 60 60 50 50
脂質(%)目標量 20~30 20~30 20~30 20~30
飽和脂肪酸(%)目標量 7 7 7 7
n-6系脂肪酸(g/日)目安量 10 8 8 7
n-3系脂肪酸(g/日)目安量 2.4 2.2 2 1.9
炭水化物(%)目標量 50~65 50~65 50~65 50~65
食物繊維(g/日)目標量 20以上 19以上 18以上 17以上

高齢者に1日に必要なビタミンの栄養摂取量

 また、ビタミンには脂溶性ビタミン4種と水溶性ビタミン9種あります。

 ビタミンAは2700㎍RAE、ビタミンDは100㎍、ビタミンEは850mg、ナイアシンは350mgNE、ビタミンB6は55mg、葉酸は1000㎍、の耐容上限量が設定されています。サプリメントや健康食品の過剰摂取によって耐容上限量を超えないよう、栄養素の含有量を確認して摂取します(表4)。

表4:ビタミンの基準値
ビタミンの種類栄養素男性女性
50~69歳70歳以上50~69歳70歳以上
脂溶性ビタミンビタミンA(㎍RAE/日)推奨量 850 800 700 650
ビタミンD(㎍/日)目安量 5.5 5.5 5.5 5.5
ビタミンE(mg/日)目安量 6.5 6.5 6 6
ビタミンK(㎍/日)目安量 150 150 150 150
水溶性ビタミンビタミンB1(mg/日)推奨量 1.3 1.2 1 0.9
ビタミンB2(mg/日)推奨量 1.5 1.3 1.1 1.1
ビタミンB6(mg/日)推奨量 1.4 1.4 1.2 1.2
ビタミンB12(㎍/日)推奨量 2.4 2.4 2.4 2.4
葉酸(㎍/日)推奨量 240 240 240 240
パントテン酸(mg/日)目安量 5 5 5 5
ビオチン(㎍/日)目安量 50 50 50 50
ナイアシン(mgNE/日)推奨量 14 13 11 10
ビタミンC(mg/日)推奨量 100 100 100 100

高齢者に1日に必要なミネラルの栄養摂取量

 ミネラルは多量ミネラル5種と微量ミネラル8種があります。ナトリウムの目標量は食塩相当量として示されています(表5)。

表5:ミネラルの基準値
ミネラルの種類栄養素男性女性
50~69歳70歳以上50~69歳70歳以上
多量ミネラルナトリウム(mg/日)目標量 8.0未満 8.0未満 7.0未満 7.0未満
カリウム(mg/日)目標量 3000以上 3000以上 2600以上 2600以上
カルシウム(mg/日)推奨量 700 700 650 650
マグネシウム(mg/日)推奨量 350 320 290 270
リン(mg/日)目安量 1000 1000 800 800
微量ミネラル鉄(mg/日)推奨量 7.5 7 6.5 6
亜鉛(mg/日)推奨量 10 9 8 7
銅(mg/日)推奨量 0.9 0.9 0.8 0.7
マンガン(mg/日)目安量 4 4 3.5 3.5
ヨウ素(㎍/日)推奨量 130 130 130 130
セレン(㎍/日推奨量 30 30 25 25
クロム(㎍/日)目安量 10 10 10 10
モリブデン(㎍/日)推奨量 25 25 25 20

参考文献

  1. 日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要 厚生労働省(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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