健康長寿ネット

健康長寿ネットは高齢期を前向きに生活するための情報を提供し、健康長寿社会の発展を目的に作られた公益財団法人長寿科学振興財団が運営しているウェブサイトです。

医学的に理想の体重とは

食事制限と寿命の関係1)

 食事制限において、単に脂肪だけ、糖質だけという限定した栄養素のみを制限してしまうと食事のバランスが崩れてしまいます。厚生労働省による「食事摂取基準2015」ではエネルギーをはじめ、各栄養素の摂取量の基準値を決めています2)

 各栄養素は偏ることなく、万遍なく摂取することでバランスの良い食事となります。国民栄養調査の結果では、年々摂取エネルギーは減少傾向です3)。肥満が引き起こす糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病を意識する方が増えてきています。一方では過食、飲み過ぎ、間食が多いなどで摂取カロリーがオーバーしているかたもいます4)

 人の体には長寿遺伝子が働いており、ある条件が満たされるとスイッチが入ります。その条件の1つにカロリー制限が挙げられます。実際に30%のカロリーダウンをすると、体内時計の変化を抑え、若返らせる働きがあります。

 体内時計とは、1日周期でリズムを刻み、体の様々な生体リズムを調節するもので、私たちの体内に備わってします。最近では体内時計が健康・長寿につながるとわかってきました。体内時計は若い時は活発に機能しますが、高齢化すると正常な機能を失います。

 腹八分目にすることで、摂取カロリーも控えられ健康に役立ちます。

痩せていれば健康に良いのか5)

 健康づくりにおいて肥満は糖尿病や動脈硬化をはじめとする心疾患や脳血管疾患など生活習慣病を引き起こします。そのため生活習慣病の予防のため減量をしたり、日々の生活で体重が増えないように心掛けている方もいます。しかし、肥満だけが病気の引き金になるだのではなく、痩せすぎも健康への影響はあります。

 成人では国際的な標準指標であるBMI(Body Mass Index:体格指数)を用いて肥満の判定を行います。

BMIの求め方

BMI=体重(kg)÷身長(m)の2乗

表1:肥満度の判定基準(日本肥満学会)
BMI(数値の範囲)肥満度の判定
18.5未満 低体重
18.5以上25未満 普通体重
25以上30未満 肥満(1度)
30以上35未満 肥満(2度)
35以上40未満 肥満(3度)
40以上 肥満(4度)

 BMIが25以上は肥満と判定され、生活習慣病のリスクは高まります。またBMIが18.5未満の低体重、いわゆる痩せ(るい痩)も体調不良や病気のリスクが高まります。

 近年では若い女性の痩せが増加しています。急激なダイエットや食事の偏りが原因で、鉄欠乏性貧血、月経不順です。またやせ願望から神経性食欲不振症(拒食症)をも招きます。さらにBMIが18.5未満の女性の新生児は出生時体重が2,500g未満の低体重児が多いです。低体重児は胎児のときに十分な栄養を補っていないため、成長にするにつれ生活習慣病のリスクが高くなるとも言われています6)

 高齢者ではコレステロールなどの血液検査の結果が気になり、油脂類を極端に減らしすぎたり、身体的機能の低下により、食欲低下や食事量の減少により、体重が減ります。高齢者でBMIが18.5未満になると低栄養状態になり、免疫力の低下、創傷治癒遅延、筋力低下による転倒から寝たきりなどを招きます。

年齢別の理想的な体重とは

 体重と疾患を見てみると、男女とも標準とされるBMIが22だと肥満と関連する糖尿病、高血圧、脂質異常症などの病気に最もなりにくいとされています7)

 標準体重は以下の計算式で求めます。

標準体重の計算式

標準体重(kg)= 身長(m)の2乗×22

 平成28年度の国民栄養調査の結果では65歳以上の高齢者の低栄養(BMI≦20kg/m²)がこの10年間で増加しています。男性12.8%、女性22%と特に女性の低栄養が増加してします8)

 食事摂取基準2015では18歳以上では目標とするBMIの範囲を年齢ごとに定めています(表2)2)

表2:年齢ごとの目標とするBMIの範囲
年齢(歳)目標とするBMI
18~49 18.5~24.9
50~69 20.0~24.9
70以上 21.5~24.9

 肥満のBMIの上限は各年齢とも同じですが、低い基準は年齢ごとで異なります。特に70歳以上では、フレイル(虚弱)の予防と生活習慣病の予防の両方を配慮し、BMI21.5以上となっています。

参考文献

  1. 糖尿病ネットワーク(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  2. 日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要 厚生労働省(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  3. 国民栄養調査 主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査 厚生労働省(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  4. 平成 27 年 国民健康・栄養調査結果の概要 厚生労働省(PDF)(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  5. 肥満と健康 厚生労働省e-ヘルスネット(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  6. 若い女性の「やせ」や無理なダイエットが引き起こす栄養問題 厚生労働省e-ヘルスネット(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  7. BMI 厚生労働省e-ヘルスネット(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)
  8. 平成28年度 国民栄養調査の結果 厚生労働省(外部サイト)(新しいウインドウが開きます)

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